butterfly flowerとある昼下がりに、タンポポのような髪をした少女が花屋を通る。
休日なのかその足取りは軽く、犬耳みたいに跳ねた髪がぴょこぴょこと弾んでいる。
ふと少女は何かに気付いたのか、足をピタリと止めた。
瞳をキラキラと輝かせ店内に入って行くと「ありがとうございましたー!」と店員の声が元気に響き、少女は小さな紙袋を手に退店した。
何故か、鼻血を垂れ流しながらニコニコしているのが不気味だが。
翌日、場所は変わって教会執務室
タンポポのような髪をした少女もといレイチェルは本日もシャスティルのための紅茶を淹れる。
トポポ……と耳障りの良い音が心地良い。
その音に耳を澄ましながらシャスティルは礼を言う。
「ありがとう。いつも、すまないな」
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