土用丑の日に喧嘩する話(高銀)「んん……腹、苦しい♡」
銀時は満足そうに微笑みながら、ふくらんだ腹を撫でた。
「はあ〜〜♡♡人の金で食べるうな重最高〜♡♡」
その目の前には高く積まれた空の丼……米粒ひとつどころかタレの跡すら舐め取られたそれは、食事をしたものの貪欲さを見せつけているようだった。
「やっぱり土用丑の日はうなぎだよな♡♡人の金の♡♡」
「いちいち気色悪い言い方するんじゃねェ」
その隣では、高杉が食後の一服のために煙管を取り出したところであった。
「いや〜、ここ1週間まともに食ってなかったからさ♡♡もう本当にサンキューな♡♡うなぎも美味しすぎて、今日一日は語尾から♡♡が取れねぇよ」
「チッ、安い♡♡だな」
久々の恋人同士の逢瀬。高杉が浮かれた気持ちで待ち合わせ場所に着いた途端、先に待っていた銀時は飢えた獣のような目で高杉の袖を掴んだ。
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