カンッカンッと木刀を激しく打ち付ける音が重なり、風を切りながら手合わせしてる途中で清麿が問う。
「もしも、僕らが今とは違う存在で親友じゃなくて殺し合わないといけない敵同士になってたら……水心子はどうする?」
手合わせの途中で不吉で嫌な「もしも」を吹っ掛けに水心子はざわりと生まれた感情を込めて重たい一撃を落とした。
「どんな存在でも清麿は私をみつけるだろうから殺し合いは避けられなさそうだな!」
一歩大きく踏み出した水心子は目にも止まらぬ早さで清麿の手から木刀を弾き飛ばし、その衝撃でよろめいて体勢を崩した清麿の喉笛に木刀の切っ先を据える。
「それから、私はどんな清麿であっても目をそらさずにお前の存在を認めて本気で向き合って戦うのみだろう……だから、下手な小細工せずに真っ正面から来い!」
556