光へ目が覚めるとそこは知らない場所だった。
あたりは真っ暗。焦って荒くなる息を落ち着けながらぐるぐると思考を巡らせる。
「はぁっはぁっ」
ゆらゆらと地面が揺れている。船の中か。腕を見ると清潔な包帯が巻かれており、ここはベッドの上だった。
「はぁっ、ふ、はぁっ」
ふとあたりを見回すとベッドの脇に少女がいた。驚いて思わず後ずさりをする。少女はすぅすぅと寝息をたてている。眠っているようだ。よく見るとこの少女には見覚えがある。甘酸っぱいあの果実を思わせる綺麗なオレンジ色の髪。腕にはログポーズ。確か、そう。航海士の。
「は、ふ、はぁっ」
だんだんと記憶がはっきりとしてきた。そうだ、私は麦わらの一味の船に乗ったんだった。麦わら帽子の彼に、助けてもらったんだ。
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