第60回お題告知【春眠暁を覚えず】【蒲公英 (たんぽぽ)】【潜入】「解せぬ」
「なにがだ?」
「なーんで“柱”になってまで遊郭に潜入しなきゃならんわけ しかも女装して! さすがに無理があるでしょうが!」
「「…………」」
と、叫ぶ鳴柱を見て、日柱と獣柱はその姿を上から下まで見て、元の位置、顔に戻す。
上等な着物と帯。施された化粧。整えられた髪と、それを飾る簪や櫛。
十五の時に当時の柱、音柱に連れられて潜入した時とは違う、女そのものに化けた姿は一言に美しい。
「心配すんな。今の鬼殺隊でお前より女装が似合う奴はいねぇよ」
「お前にだけは言われたくないわ!」
「う、うーん」
確かに、と口にしそうになって、それを飲み込む。
獣柱、嘴平伊之助も十分に女装の才能はあるだろう。
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