アガベの本懐(前) 爽やかな夏空の下、それとは対照的だとでも言いたげなほどに奇怪な外見をした怪獣が、悲鳴を上げながら崩れ去る。
今日もグリッドマンは怪獣を倒し、街を守った。アシストウェポンたちと一体になった彼が佇む姿は、まさに英雄と呼ぶにふさわしい、雄々しいものだった。
「今日は、割と早く片付いたね」
ジャンクショップに戻るなり、ヴィットがスマホを取り出しながらのんびりと言う。
「そうですね、被害も少なくて…良かったです、とは言えないですけど、なるべく少なくしたいですね」
裕太は困ったような顔をした。周囲を気遣う優しい性格である彼は、被害が出ることにいつも胸を痛めている。
「今回は、内海が弱点を見抜いてくれたお陰だ。礼を言う。」
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