サン武←マイのオメガバはあり得るか想像した結果王の回りをブンブン飛ぶ羽虫。上等な言い方に替えれば王の回りを囀って飛び回る小鳥。
兎も角、そんな人物が自身の崇拝する王の近くにいる事実が心底腹立たしかった。
だというのに王はそんなドブと共にいる事が多く、穏やかな年相応の柔らかい表情をするものだから、苛立ちは余計に募った。
王は孤高に鋭く尖った眼光で、研ぎたての刃のようで在るべし。それがサンズの理想とする王でありマイキーであった。マイキーの進む道、覇道にはどうしたってそんな小鳥ことハナガキタケミチは邪魔だった。
早熟だったサンズハルチヨは第二の性が既に発露していて、優秀とされるアルファ性だった。そんな自称鼻の利くサンズから見て、王であるマイキーは間違いなくアルファだった。王の回りをウロチョロとするハナガキは恐らくオメガだろうともその嗅覚で嗅ぎ取った。
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