拝啓、ポーラスター夢を見ていた。
どんな夢だったかは、忘れた。
散らかった部屋の中、転た寝していたソファから身を起こす。ブラインドは常時閉め切っていて薄暗く、昼だか夜だか分からないが、薄い腹が微かに訴える空腹感から恐らく夕方だろうと推測する。冷蔵庫には何があったか思い出そうとして、そもそも最近開けた覚えがないことに気付く。であれば何か入っていてもとっくに死んでいるだろうから開ける意味はない。
まあ、いいか。煙草に手を伸ばし、咥え、ライターがない。見回して、床に落ちていた、行った覚えのない喫茶店のロゴが描かれたブックマッチを擦って解決する。ほぅ、と煙を吐いて、今度は灰皿が見つからない。手近な空き缶を引き寄せて灰を落としてから飲みかけだったかも知れないと気付き、空腹を誤魔化すにはこちらを飲めばよかったかと思い、まあどうでもいいかと思考を捨てる。
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