川遊び「清光!みて、こんな所に小川があるよ」
暑い暑い晴天の日。本丸から離れた山の中で安定はキラキラと光る小川を見つけた。川の深さはそれほどないようで、思い切っていちばん深いところまで飛び込んでみると安定の膝下あたりを冷たい清流が流れる。顕現されてからもう何年も経つが未だに本丸の周りは知らないところが沢山ある。新しい発見をした楽しさからか袴の裾が濡れるのも構わず、安定はざぶざぶと足を動かし跳ねる水を楽しんでいた。一方清光はと言うと近くの木陰に入り、頬ずえをつきながらその様子を眺めていた。
「清光もおいでよ」
「えー、俺はいいよ。濡れるの嫌いだし」
「冷たくて気持ちいいのに勿体ない」
「ここでも充分涼しい、日焼けするから俺はいいよ」
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