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    gnad_uq9

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    gnad_uq9

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    プール
    ロナ半カメ
    カプ要素なしですが、ロナ半の製造工場で作られました(?)

    プール『ナイトプール行こうぜ。水着持って集合!』
    そんなRINEがカメ谷から来て、ロナルドは鼻歌混じりにクローゼットを漁った。
    ナイトプールなんて洒落てる。プールなんて仕事で行ったきりだった。しかも貸し切りらしい。泳ぎ放題じゃん!
    そんな期待を胸に着いた待ち合わせ場所は、母校の校門前。半田は仕事で遅れるらしく、先に二人で行く事になった。どうやらここから少し歩くらしい。この近くにそんな洒落たものが出来たなんて、時の流れを感じるな。ロナルドがそうノスタルジックに浸っていると、先頭を歩いていたカメ谷が「着いたぞ」なんて振り向いた。
    「ここ、裏門じゃん。」
    「流石に覚えてたか!ここから入るぞ!」
    「え?不法侵入にならねえ?」
    「警備員の人には話通してるから大丈夫だって!」
    そう言って先へと進むカメ谷を追いかけるように着いて行くと懐かしい場所についた。
    「ここ、学校のプールじゃん。」
    「懐かしいだろ?俺ら三人で貸し切りだぜ?」
    ザラついたコンクリートのプールサイドと、強い塩素の臭い。まるで高校時代に戻ったようで、ここに居るだけで何だか楽しい気分になる。
    「じゃあ、俺一番な!」
    そう言ってカメ谷がその場で素早く服を脱ぎ捨てる。下に水着を着ていたらしく、そのまま走ってプールに飛び込んだ。
    「あ!ずりぃ!俺も!」
    ロナルドがカメ谷に続いて服を脱ぎ始める。実はロナルドも服の下に水着を着ていたのだ。気持ちが焦って服が上手く脱げない。後はズボンだけ。そんな時に突然背中を押されて、ロナルドはプールに勢いよく落ちた。
    水から顔を上げ、咳き込む。こんな事するヤツは一人しかいない。
    「何すんだよ、半田!」
    プールサイドを見ると、いつの間にか来た私服姿の半田が仁王立ちしていた。
    「フン、貴様が猥褻物を露出しようとしていたから止めたまでだ。」
    「違ぇわ!!水着に着替えようとしたんだよ!!俺ちゃんと水着下に着てるし!!どうせお前も下に水着着てるんだろ!」
    「フン、俺は更衣室で着替える。貴様と違ってちゃんと替えのパンツも持って来てるぞ!」
    「うるせーわ!俺だって持って…いや、忘れたかもしんねえ…。てかズボンが水吸って滅茶苦茶重いわ。」
    顔の水を手で拭って、プールから上がると、ロナルドはズボンを脱いで雑巾みたいに絞った。水がビチャビチャと滴り落ちる。絞って固くなったズボンを見てロナルドは後悔した。今日ジーンズなんて履いて来なきゃよかった。
    「あ~…これどうするんだよ…。」
    「水着で帰ればいいだろうが。」
    「それこそ変態で捕まるわ!!」
    「いや、水着姿位ならさ。この街なら大丈夫だろ。マイクロビキニとか股間に花咲いてるヤツいるし。」
    ビート板に凭れかかったカメ谷が、当たり前の事のように言う。
    「確かに…?じゃあ、俺水着一丁で歩いて帰っても大丈夫っぽい?変態達のせいで助かるのちょっと嫌だな。」
    「まあ、街の治安の為に俺が警察を呼んでやるがな。」
    「半田お前、俺を不審者にして楽しいか?!」
    「こうして街の治安が守られていくんだな。」
    暢気に蹴伸びするカメ谷に、半田が思い出したようにカメ谷に尋ねる。
    「ところで、どうして学校のプールを貸し切りに出来たんだ?」
    「OBの特権と俺の人脈かな?まあ、これはプール掃除と引き換えなんだけどね。」
    「「は?」」
    「この後は水抜いて掃除するんだと。その手伝いする条件で貸し切りに出来たんだよね。」
    「マジかよ…。三人でやんの?」
    「まあまあ、ボランティアだと思ってさ。OBとして母校に貢献しようぜ。」
    そう言って笑うカメ谷は何だか憎めない。騙されたような物だが、後輩に貢献できると言われたら何となく嫌とは言えない。
    「あー、ちょっと休憩しよ。二人共さ、手、貸してくれない?」
    そうカメ谷に言われて、ロナルドと半田は素直に手を差し伸べる。二人の手を掴むと、カメ谷はニヤリと笑った。

    「せっかくの貸し切りなんだ。だから、泳がないと損だぞ二人共。」

    カメ谷が二人の手を引っ張る。バランスを崩した二人がプールにドボンと大きな音を立てて落ちた。

    「カメ谷、お前なあ!」
    「カメ谷!服がビショ濡れになったぞ!」

    喚く二人を見て、カメ谷が楽しそうに笑ってどこからともなくカメラを出すと、シャッターを切った。
    「いやー、完全防水持ってきて正解だな。」
    カメ谷が満足そうに、そう言ったのを聞いたロナルドがカメ谷に水をバシャリと掛ける。
    半田も真似するようにカメ谷に目掛けて水を掛けて、そのまま三人で水の掛け合いをして疲れるまではしゃいだのだった。
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