「ふ…安室様。お呼びでしょうか」
内線電話を使用して呼び出したのはVIP客である安室透、いや降谷零である。
大切なものを引き取って欲しいとのことで呼び出された新一は降谷が宿泊している2501号室のドアの前にいる。
ガチャ、という音がしてドアが開くと
「おはよう工藤くん」
「え、と…引き取って欲しいもの、というのは…」
「立ち話もなんだから入って」
そう言われて降谷の部屋に入るとほのかにコーヒーの匂いがする。
アメニティのコーヒーを煎れていたのだろうか。
マグカップが二つダイニングテーブルに置いてあった。
「これ、工藤くんに引き取って欲しくて」
そう言って渡してきたのは高級チョコブランドの包装紙に包まれた箱だった。
「えっと、こちらを郵送するとかですか?」
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