ドイルさんのケアラーなコリーさん(notCP)「コリー」
猟銃のメンテナンスで静かに部屋にひとり篭っていると、コンコンと控えめにドアをノックする音が耳に入った。
たまに山から降りてきた時に使うこの部屋を訪れる人間はあまり居ない。家族同然なほどの顔見知りではあるけど、若い活気ある世代と自分では会話のテンポも全てが違う。必要なとき以外は個人で行動するのが常だ。他のメンバーも他人に過干渉な行動をとる人間じゃないから、彼らも必要なとき以外この部屋に訪れることはない。
"基本的には"だ。ノックの後、控えめに呼ぶ声が誰なのかはすぐに分かった。その抑揚のない声に
「またか」
という気持ちもあった。小さく開かれたドアの向こうには眉をハの字に下げて部屋を覗き込む男が立っていた。
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