続・キスしないと出れない部屋「待ってください駄目です一真さん」
「離してくれ呰上。やっぱり前回ちゃんと原因を仕留めておくべきだった」
「気持ちはわかりますが流石にもう五回は限定解除してるんですよ、本当に無理です」
珍しくキレた様子でドアに向き合う一真を必死に止めている三四。
二人は今のような状況に見覚えがあり、ついでに言うと五度ほど限定解除の攻撃を受けてなお無傷の扉にも既視感があるし、そこに並べられた文字列も一言一句違わず見たことがある。
――曰く、『キスしないと出れない部屋』
一真と三四が閉じ込められるのはこれで二度目である。
◇
そろそろ一瞬のまぶしさに目が眩んできた。
幾度の光の斬撃を食らおうとまるで嘲笑うかのように綺麗な扉が鎮座しているものだから、やっぱり実力行使では無理なんだろうなあと半ば諦めたように三四は思っていた。
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