危ない下弦様設定ふと妓夫太郎は疑問に思い、天元に質問した。
「なぁ…お前しょっちゅう稀血持って来てくれるけどよぉ…稀血の人間を簡単に見つける方法でも知ってんのかぁ?」
「んー…内緒」
愛しい妓夫太郎からの質問に天元は唇に指を押し当て意地の悪い笑みを浮かべて返答をやんわりと拒否した。その後「教えろよなぁ」と自分に突っ掛かってきた妓夫太郎を「はいはい」と宥めながら押し倒し、ちゃっかり事を致した天元。そのまま自分の屋敷に連れて帰ろうかと思ったが、堕姫によって阻まれ、一人寂しい帰路となった。
元忍び屋敷の地下屋敷…自身で更に改造したその屋敷の奥深くの部屋で、天元は怪しい笑みを浮かべていた。
「…ま、別に教えてやっても良かったんだけどな」
妓夫太郎を見つめていた優しい眼差しとは真逆の冷たい視線の先には、沢山の管……その管に繋がれているのは、裸の人間……目はくり抜かれ、耳は削ぎ落とされ、舌は切られと残酷な姿…時折、言葉を発せなくなったその口から「ア゙ゥゥ…」と音が聞こえてくる。
「何だ?お前が命だけは助けてくれって言ったんだろ?だから命"だけ"は助けたんじゃねぇか。良かったなぁ稀血の持ち主で。これからもキッチリ生産してくれよ。俺の可愛い嫁が喜ぶんだわ……ってももう俺の声も聞こえねぇか」
クククッと喉を鳴らしながら笑う天元……
人間の血を絞る取る管……
そして、忍び時代の知識と血鬼術を織り交ぜた、死ねぬようにする"秘薬"を注ぐ管……
何本もの管に繋がれたその生贄は今日も明日も自らの死を望む……その願いがこの鬼には決して聞き入れられぬ事を承知で……。
「もう一匹ぐらい捕まえてくっかな。アイツの喜ぶ顔が見てぇし」
天元は今日もただ一人の為だけに動く。
他の者などどうなっても良い。アイツが笑顔で居てくれるなら…アイツが俺に笑顔を向けてくれるなら……
「あ〜早く俺の屋敷で一緒に暮らしてくれねぇかなぁ妓夫太郎〜」
いつの日か、自分だけのものにする為に……。
そんな下弦様の危ない設定話でした。