Your Guardian (Angel) ひどく疲れた。
オフィスチェアに深く凭れるも、自慢の発音でストレスを口に出す気力すらない。
「いや、普通にキツい……肌荒れヤバい……」
ブツブツ呟きつつ、キョンソンは自分でも知らぬ間にスマホの呼出しボタンを押していた。
「あ、スンア? ううん、仕事じゃないの。ねえ、今日ランチ出てこられる?」
何でも奢ってあげる、と続けようとしたセリフは電話口の『はい、喜んで!』という居酒屋か出前のバイトみたいな元気な声にかき消された。知らず口角が上がる。小動物じみたキラッキラの笑顔が思い浮かんで、墜落間際だったキョンソンの気分はかろうじて持ち直した。
だが三十分後、検事は待ち合わせの定食屋に現れたスンアのブラウスに悲鳴を上げることになる。
3768