青い空白い雲男の群れ見渡す限り海に囲まれた孤島に建てられた外国の監獄よろしくの立地の閉鎖的空間に男に男、ついでに男、たまに鳥と猫、でもやっぱり男しか居ない全寮制男子校にて。
学園中のイケメンたちから愛を囁かれる、笑顔が可愛いとか、誰もほっとけないで手を差し伸ばす優しさだとか、まるで女神のように持て囃されているパッと見どこにでも居るような平凡なヤツ。
の、隣の席の中田と申します、少しもやっとした雨の日の翌日のそんな初夏の風が頬を撫でている昼休み、机の上に置いた焼きそばパンの封を切ろうと添えた手で隅を弄りながら窓の方へ視線を向けた。
現在15の初夏、育ち盛りのオレ、焼きそばパン1個ですら本来なら足りぬと文句を言う腹が空いたと鳴らさず胃もたれすら起こしている。何故か?
1986