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    recccccco

    @recccccco

    もう全部にょた 受けが男の時には表記します

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    めっっっちゃ前に「飽きた!」って言ったソテケイドムサブが完成したからあげる

    ##ソテケイ

    だれも肯定していない「『Kneel』」
    「……はいはい」
    営業中のスターレス、そのホールの真ん中でソテツはゆるりと片膝をついた。ざわめく客と様子を伺うキャスト。当の本人は黙ったまま頭を垂れて跪いており、Commandの主はソファに座る一人の女性客を睥睨していた。
    「Colorの着いているSubにパートナー契約を持ち掛けるとは。恥と常識を知らぬのだな」
    ここは店であり、ケイはキャストだ。普通であれば彼女が客に対して威圧的な行動を取ることは無い。しかし今回だけは事情が事情だった。周囲の体感温度が下がっている気もするが、決してGlareを飛ばさないのはSubの客への配慮なのだろう。本能に飲まれてDefenseしてもおかしくない状況で、それをコントロールするケイは流石と言えた。しどろもどろになる女性客に、ケイは一つ大きくため息をつく。それからひらりと手を振った。
    「貴様が今ここで出ていけば金輪際の立ち入りを禁止する事で手を打とう。従わぬと言うのならばそれまでだが」
    ケイが静かに「『Up』」と告げる。立ち上がったソテツはケイの腰に手を回して、美しい主を抱き寄せた。大理石の指がソテツの首のチョーカーにかかる。くん、と引かれてソテツとケイの顔が近づいた。
    「……さて、どうする?」


    あの後女性客が退店してから、ソテツとケイはさっさと帰らされた。Defenseこそしなかったものの、Domであるケイの心理的ストレスら計り知れないからだ。当然の様に2人でソテツの家に戻る。玄関に踏み入れて早々、ケイはソテツの腕に囚われる。目の前でギラリと光るオレンジスピネルに、ケイは背筋を震わせた。
    「……性急だな。盛りの着いた猿でもあるまい」
    「生憎と今日はお前の軽口に付き合える程余裕が無くてな。『Kneel』」
    唐突なCommand。頭に走った甘い電流に、ケイはその場に崩れ落ちた。ぺたん、と玄関に座り込んだケイにソテツがにんまりと笑う。見上げてくるタンザナイトが興奮からか水気を帯びていた。靴を脱いだソテツはケイの足からヒールを抜き取る。やたら芝居がかった丁重な手つきは、今の状況とは真逆だった。そのままソテツはケイを抱えあげてリビングへ。ケイをソファの下のラグに下ろすと、自身はソファに身を沈めた。
    「なぁケイ、公衆の面前でお前のDomを跪かせた感想を聞かせてくれよ。Commandが居るなら手伝うぜ?」
    「……あれは、不可抗力で」
    「まあ確かに、パフォーマンスとしては必要だったかもしれないな。ただ、Glareを抑えたばかりか、従順にCommandに従った相手にRewardの一つも無いのはどうなんだ?」
    サラサラとソテツはケイの髪を撫でる。しかしその手つきとは裏腹に、ケイは場が緊張するのを感じた。この男が怒っている時程、穏やかになる事は身をもって知っているから。ソテツが自分の首からチョーカーを外す。それを視認したケイは大人しく首を差し出した。ゆっくり、焦らす様に着けられた首輪は、正真正銘ソテツからケイに贈られたColorである。首に戻ってきた微かな感触にケイが安堵の息をついた。
    「ケイ。俺もこんなにくだらない事でお前に仕置をしたくは無いんだが」
    「……すまない。だが、私とて必死だった」
    「Good girl. よく言えたな」
    俯きながらも謝ったケイに、ソテツは腕を広げる。「『Come』」と呼べば、ケイはソテツの膝の上に向かい合う様にして座った。抱き寄せてやれば、金混じりの茶髪がソテツの肩口に預けられる。相当参ってるな、と苦笑いしたソテツは、良く手入れされた髪をさらさらと弄んだ。
    「ケイ、ケーイ?俺も流石にお前を捨てて向こうに行く様な馬鹿な真似はしないぜ?」
    「……分かっている。しかし、」
    「それとこれとは話が別、か?面倒だが可愛いな」
    ソテツが甘やかす様にケイの髪に鼻を埋める。されるがままのケイを抱き上げると、ソテツは寝室まで腕の中の女王をエスコートした。



    ケイとソテツのパートナーシップは、この部屋のドアの中と外で逆転する。店にはケイがDom、ソテツがSubと登録されているが、実際では全くの逆である。尤も、ソテツがDomである事は、古くから店にいる人間であれば良く知っている為、所謂『暗黙の了解』と言うやつであった。では、何故二人がこうも面倒な事をしているかと言えば、一重に悪ノリと打算である。悪ノリと言うのは至極簡単な話。店に来たばかりのケイと、女王に引っ張られて行ったソテツ。その二人の関係性を黒曜辺りが揶揄ったのだ。『Domを従えるSub様かよ。お前ら第二性逆だろ』と。元々、女であるケイはただでさえも舐められやすいのに、そこに更にSubという性が加算されれば、飢えた男たちが群がるのも仕方が無かったのだ。本国にいる時も、ケイは出会い頭にGlareをぶつけられる事すらあったが、全てSランク故の対抗力で捩じ伏せてきた。しかし、疲れるものは疲れる。そこで上記の黒曜のセリフだ。名案とばかりにソテツを見たケイに、楽しそうな声が返ってくる。こうして、立場逆転のパートナーシップ関係は成立したのだ。


    その日のスターレスはいつも通りであった。客も多く、キャストもステージにホールにと忙しい。そんな中、エントランスに現れた男が全てを変えたのだ。
    「ケイをここに連れてこい」
    それしか言わない男に対し、運営やら他のキャストやらが困った様な顔をする。結局レッスン中のケイを連れてきたのは、事態を静観していた鷹見であった。
    「……何の用だ?」
    「…………俺はなぁ、知ってるんだ。お前がSubな事くらい。しかもあの男はDomの中でもランクが高く無いんだ」
    客の居るエントランスで始まった暴露にキャスト達は顔を見合わせる。ケイは悠然と腕を組んで立っているだけだ。
    「だから何だ?」
    「……ッ、お前はなぁ!黙って俺のSubになれば良いんだよ!『Neel』!」
    男が吠えるのと同時にケイに襲いかかるGlare。Sランクのケイですら、本能をガツンと揺さぶられる。しかし、彼女の精神力が膝を着くことを拒んだ。ぐ、と脚に力を入れて、ケイは勝気に笑う。男に声をかけようとして、ケイの体が後方に引っ張られた。一体誰が、と振り返ろうとして、ケイは腰にまわった浅黒い手に固まった。
    「……人のSubに手出すなよ」
    ぴり、とエントランス内の空気が張り詰める。背後から感じる刺すような、しかし動けば殺されそうなGlareに、ケイは堪らず身を竦めた。目の前の男が蒼白になっている辺り、大方このGlareも『少し漏れているだけ』なのだろう。腕の中で動かなくなったケイの髪に、ソテツがキスを落とす。とびきり甘やかす様な手つきで撫でてやれば、ケイはその身からゆるゆると力を抜いた。
    「ケイ、お前に対してじゃないからな?」
    「……分かって、いる」
    「Good girl. じゃあもう少しだけ耐えられるか?」
    ケイが幼げにこくりと頷くと、真っ青になって動けない男に対してソテツがその瞳を向ける。マッカランが野性的な光を帯びて、冷徹に男を射抜いた。
    「……お前さ、俺のランクは幾つだって思ってるんだ?」
    「ぁ、ぁ……」
    「答えろよ。C?D?確か撒いたのはそれくらいだった気がするが」
    じわり、じわり。男にかかる重圧が増す。震えるしか出来ない男に対して、ソテツはニコリと愛想よく笑う。一切笑っていない瞳が異質だった。
    「本気で死にたくなったらまた来いよ。次はちゃんとやってやるぜ?」


    「……やりすぎだ」
    「十分抑えた方だろうが。運営、ケイと俺のカバン持って来い。このまま上がる」
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