「「ひとつ言うならお前らのせい」」「はぁ、荷物まとまったな」
とトード。それに俺は「そーだな」と返しため息をついた。
「………」
「…まさか長年過ごしてきたこの家とおさらばすることになるとはな……」
俺はそう言って苦笑する。トードもそれに対し少し淋しげな顔で苦笑した。大体察せたと思うが俺達2人はこの4人で暮らしていた家から出ていく。とはいえいきなり1人は静かで違和感があるだろうという事で不仲ではあるがトードと同居することになった。
「…なんか寂しいな」
「そりゃまぁ何年もここにいたんだしな」
「ちょっと待ってなんで出てくの????」
しんみりしながら家を出る前に思い出話をしているとまるで全裸から大急ぎで服だけ着ましたみたいな格好で興奮してますみたいな顔の息が荒いエッドとマットがエッドの部屋から出てきた。そして2人の問に俺達は声を揃えてこう叫ぶ。
「「いやオメェらのせいだよ!!!!!!!!」」
「「え!!????」」
何が「え!!????」だよとトード。俺もそれに同調するようにコクコクと頷く。そう、俺達が出ていこうとしているのはコイツらに原因がある。
「待って、全く理解できない、どういう事??」
「そうだよっ!なんでボクらのせいなの!?」
「いや、なんでも何もオメーらが昼夜問わずセッ(ピー)しやがるからだよ馬鹿」
「おかげでこっちは『寝不足、ストレス、気まずすぎて家にいることが出来ねえ』の3コンボ喰らってんだよ」
「お前ら経験したことあるか同居人2人が部屋でセッ(ピー)してる間リビングはクソほど静寂だしすげェ気まずいっつーのをいやねえだろうなお前ら昼夜問わずサカってる発情モンキーだもんなァ!!??」
「こちとらオメーらモンキーが昼夜問わずサカってんのを今まで文句言わずに黙ってやってたんだぞ感謝しろやんでもってそのせいで精神的にキツイわどうしてくれんだボケナス!!!!」
ストレスが相当溜まっていた俺達は目の前の明らかにさっきまでヤってたけど雑に服着ましたという格好の2人に本音をぶちまけ始めた。
「ちょ落ち着こう??」
「なァ〜にが「ちょ落ち着こう??」だよ俺らをこうさせたのは紛れもねェテメェらだろが」
「ごめんねティム〜っ!」
「だァから俺の名前はトムだっつーのいい加減覚えろや記憶力ゴミか貴様はァ!!!!!???」
「そこまで言わなくてもよくない???さすがに酷いと思うよトム??」
「だ!か!ら!俺が今こーなってんのは貴様らのせいっつってんだろうg
割愛。
なんやかんやあって限界すぎてせっかくまとめた荷物も置いて外に飛び出してきて2人揃って汗だくで疲れ果てているのが今の現状だ。
「「はァ〜………」」
「なんかスッゲェ疲れたわ……」
「そりゃあんな叫べばこうなるだろ…(水飲む)」
「俺にもくれ…」
「自分で買ってこいボケ…」
「頼むってお前が飲んでるそれでもいいからよ…」
「すまんもう空…」
「はっや…〜死ぬ……マジ死ぬ」
「……」
このままだとずっとやかましいままだと予想した俺は仕方なく立ち上がり店に向かい速やかに水のみを買う。そしてそれをトードに勢いよく投げつける。
「ひゅ〜、トムちゃんやっさし〜…w」
「うっせ」
まぁコイツがキャッチできない訳もなくペットボトルの水はトードの体内に流れてゆく。
「ん…、ふ……」
「………」
悔しいことにコイツは汗だくでも顔がいいしなんなら走ったあとで体が火照っているので顔も赤くそれを女子から見たら色っぽいんだろう。し、わざとではないんだろうが息切れが酷い中夢中で水を飲んでるもんだから声が漏れているのもそれなりにやばい。まぁ相手が相手なので惚れる唆るとかそういうのは100%ないが。
「っぷは、ア〜生き返るゥ……」
「さすがに今帰れねぇしな…」
「どーすっか」
さて、これからどうするか。