君の世界『第4層-2』 「さっきぶりだね、オル」
「君は、どうしてここに?」
小さなストレイボウは、つぶらな瞳をくりくりさせて私を見上げている。
「だって、このままじゃ全然先に進めなさそうだったから」
「あぁ、そうだな……。違う世界に何度も飛ばされて。でもここは同じ層なんだろ?」
「オルにしては察しが良いね」
ふんっ、と彼は腰に手を当て、胸を張る。
「私にしては、か……。そうかもしれないな」
「認めちゃうの!? そこはもっとさぁ、反応して欲しかったんだけど」
小さなストレイボウは、今度はむっとした表情でこちらを見つめる。ストレイボウは、幼い頃はこんなに表情豊かだったろうか?
うまく思い出せない。
「そういえば、君の事は何て呼べば良いだろうか」
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