君の世界『第2層〜第3層』 「ストレイボウ……なのか?」
「そうだよ。どこからどう見てもそうでしょ?」
その姿は幼く、声も高い。それに、小さな女の子が着るワンピースを着ている。
それでも斜に構えた態度や声音から、私はストレイボウだとすぐにわかった。長い付き合いだからこそ、だ。そうでなければ、幼い頃のストレイボウに似ている女の子、で終わってしまっていただろう。
彼は、幼い時は魔除けの為に女装をする事が多々あったのだ。
「ストレイボウ、ここはどこなんだ? それに君は……どうしてそんな姿に」
「そんなの見ればわかると思うけど。俺の世界だよ。全く、そんな事も理解できないの?」
はぁ、と彼は溜息をつく。頭が追いつかない。魔王山での出来事、小川に突き落とされた自分、そしてこの花畑と小さなストレイボウ。理解しろと言われても無理だ。
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