お姫様お姫様役の寧々がステージの上で歌ってる。それをえむ、司は客席に座り見ていた。
ふと、えむが小さな声で呟いた。
「あたしももお姫様やってみたいなぁ」
「?どうした急に」
「ほえ?!声出てた?ごめんね、なんでもないよ!」
「🍬が姫か…。随分お転婆な姫になりそうだな」
「そうだよね!あたしがお姫様なんて似合わないよね!」
「いや誰もそんなこと言ってな」
「ううんいいの!寧々ちゃんの方が似合うって知ってるもん」
「どうした。言いたいことがあるなら素直に言えばいいだろう?」
「でも…」
「話を書くのはオレなんだ。言って見るだけならタダだぞ」
「…あのね。小学校の時学芸会があって、劇をしたの。そこであたしお姫様やりたいって言ったらみんなが、お姫様はもっとおしとやかな人がやった方がいい、似合わないって、違う子がやることになったの。その時あたしは意地悪な王様の役だったんだ」
「それは…なんというか、残念だったな。それにしてもクラスメイト達はわかってないな。えむにだって姫は似合う」
「え?」
「だって、こんな愛らしい暴君の王がどこにいる。姫の方がふさわしいだろう」
「ほえ!?」
「む、どうしたそんな変な顔して。オレ変なこと言ったか?」
「う、ううん!なんでもないよ〜!あたしお水無くなっちゃったから買って来る!」
「あ、おい!走ると危ないぞ!…というか急にどうしたんだあいつ。」
「今のは司が悪い」
「うお、寧々!!オレが悪い?!なぜ!えむにも姫は似合うと言っただけだろう!」
「そういうところだよ。司くん。」
「類まで…。なんなんだ。ただ思ったことを言っただけだなのに…。」