後悔小さな雨粒が屋根に響く深夜。冷めた熱を求めた手は空を切った。少し前まで愛し合っていたはずの彼はもういない。1人で舞い上がって馬鹿みたいだ。
これまでにも些細な喧嘩は経験してきた。私が彼以外の人間に手を出すことや出されること。どうにかできることをしなかったのは私の方だ。彼は繊細な心を持っている純粋な少年であって、何度も崩れかけた仮面を被っていただけだった。それに気がつく機会は何度もあったはずだ。
言わなければ良いことを、余計な一言を言ってしまった。
「お前も俺以外と関わってみたらいいじゃないか」
外で厄介なことがあったせいで口調も荒くなり、彼の目を見て言わなかった。その後の彼の顔にはほとんど形のない仮面が辛うじて張り付いていたが、私には何も言えなかった。
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