fraidy catの秘事 月明かりの下をステップでも踏むかのように楽しげに歩いていく影がひとつ。そしてその少し後ろをゆったりとついていく影がもうひとつ。
「ジュースで酔ったかアルバニャン、足下には気を付けろよ」
呆れた風な物言いではあるが、どこか気遣うような響きにアルバーンは振り返らずに応える。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ」
にゃははと笑い混じりの言葉に返ってきたのはやれやれといったふうな溜め息の気配。だがそんなことも気にならないとばかりに、アルバーンはまるでターンでもするかのようにくるりと振り返ってみせた。
「ちょっと楽しくなっちゃっただけだって!ファルガーだって楽しんでたじゃん」
今夜は友人達と集まってコラボ配信なんてものをしていたわけだが、面子が面子なだけに少しばかり過激なおふざけで盛り上がってしまった自覚はある。昔からあるカードゲームでよくもまあそこまでと言われればそうなのだが、そこにちょっとした罰ゲームを加えればエンタメとしてはバッチリだ。際どい台詞もなんのその。ノリの良さでどんどんと内容はエスカレートしていき、ファルガーに絡みに絡んだ結果、その仲に妬いてお怒りの浮奇・ヴィオレタなんて存在も盛り上がりの一因になった。
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