飲み会「なんかこう、いい飲み物とかないかな……」
制作手帳と睨み合いながら呟いたヴィエラにルガディンは首を傾げた。明日の手土産、と唇を尖らせ制作手帳を捲る彼女にあぁ、と納得して、チャイを作る手を止める。彼女の隣で自身も手帳を捲り、一緒に頭を捻った。
「やっぱお酒が喜ばれると思ったけど……」
「作れるものに酒はないかな……」
「ないかぁ〜」
しまったぁ、と彼女が溜息を吐いた。ドワーフのエール、ワインポートの良質なワインなども悪くはないだろうが、店への手土産に持っていくために用立ててもらうには些か時間が足りない。自身の気の利かなさにうんざりしながらページを捲った彼が、お、と小さく呟いた。それを聞き逃さなかった彼女が何何?と彼の手元を覗き込む。
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