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    ao_aibou

    @ao_aibouのらくがき垢。
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    ao_aibou

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    とある監督生の日常(♣️(♥️♠️))
    時系列としては初期のイメージ。前のと同じ監督生。ただの日常なので何もオチはありません。

    朝の図書館は生徒が少なく静かなので、俺はしばしば調べものをしていた。学園長は正直あてにならなそうだし、――っていうか、絶対探してないよな…――元の世界に戻る方法は自分で見つけるしかない、と意気込んで調べ始めたものの、手掛かりすら見つからない。

    今日で調べ始めて一週間か……と、思わずため息をついたその時。ぽん、と肩を叩かれた。

    「そんな顔してると、幸せが逃げるぞ」
    「トレイ先輩……」

    俺の驚いた顔を見て、先輩はふっ、と笑顔になる。

    「悪い。驚かせるつもりはなかった。何か調べものか?」
    「あ、まあ、はい、」
    「何を調べてるんだ?」
    「えっと、元の世界に帰る手掛かりを……」

    学園長が信用できないから自力で方法を見つけようとしていることまでは、流石に言わなかった。

    「そうか。……その様子だと、あまり良い経過じゃあないみたいだな」
    「はい……手掛かりすら見当たらなくて」
    「まあ、これでも食べて、一息ついたらどうだ?」

    そう言って先輩は、焼きたてのタルトを差し出した。オレンジ色の生地に、この匂い…

    「かぼちゃですか?」
    「ああ。かぼちゃが好きだってエースとデュースに聞いてな」
    「あいつらに?」
    「ああ見えて結構心配してるんだぞ」
    「そう、なんですかね」

    デュースならわかるが、エースは普段全然心配してるような素振り見せない(むしろ茶化してくる)くせに、俺のいないところではなんだかんだ気にしてくれているらしい。天の邪鬼か。

    「朝ごはん、まだだろ?グリムも呼んで寮においで。タルトが冷めないうちにお茶にしよう」
    「…ありがとうございます」

    朝からトレイ先輩のお菓子を食べられると知ったら、グリム喜ぶだろうな。



    (とある監督生の日常♣️(♥️♠️))
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