❏設定❏
・彰人が女体化している(先天性)
・名前は男性名のまま(彰子とかにしちゃうとギャグっぽくなってしまうので)
❏本文❏
彰人「――――…………」
彰人:陽性反応を示している妊娠検査薬を見つめながら、ぷるぷると体を震わせて青ざめている
彰人「う、嘘、だろ……」
〜約一ヶ月前〜
冬弥「ようやく、二人の新生活が始まるんだな……」
彰人「ああ……ずっと、この日が来るのを待ちわびてた……」
冬弥「彰人……」
彰人「冬弥……」
彰人・冬弥:お互いに抱きしめあいながら、チュッと触れるだけのキスをして、すぐに顔を離す
彰人「まさか、冬弥と同棲を始める日が来るなんて、出会った頃は想像もしてなかったな……」
冬弥「ああ、俺もだ……」
彰人「……」
冬弥「……」
彰人・冬弥:まだイチャイチャし足りないとばかりに顔を近づけると、チュッチュッとついばむようなキスを何度か繰り返し、すぐに顔を離す
冬弥「大学生活が終わるまでの四年間は、ちゃんと避妊をしよう」
彰人「ん……」
冬弥「大学を卒業したら、結婚してくれるか、彰人」
彰人「バカ……プロポーズは、同棲する話になった時に、してくれただろうが……」
冬弥「ああ……だが、もう一度してはいけないというルールはないだろう」
彰人「……ったく、その様子じゃ、大学を卒業するまでに何回プロポーズをされるか見物だな」
冬弥「ふっ……恐らく、数えきれないくらいの数字になっているだろうな」
冬弥:そう言いながら彰人の首に顔を埋めると、突然彰人の胸を揉みしだく
彰人「……っ!? と、冬弥! な、なに……!」
冬弥「彰人……」
冬弥:同棲を始めるために新居に引っ越してきたばかりのため、まだ荷ほどきが終わっていない雑然とした床に彰人を押し倒す
彰人「と、冬弥! ま、まだ、荷物が……!」
冬弥「後にしよう」
彰人「――……っ!? と……っ、冬、弥……! だ、だめ……!」
〜現在〜
彰人(あ、あの時か? そ、それとも、あの時? い、いや……や、やっぱり、タイミング的に考えたら、あの時が一番可能性が高いか? あの時は、確か……終わった後に、ゴムが外れたって言われた気がする。で、でも、中じゃなくて外で外れたから、大丈夫だって、冬弥が……)
冬弥「彰人、気分が悪いと言ってトイレにこもりはじめて暫くが経つが……大丈夫か?」
彰人「――……っ!?」
彰人:突然冬弥に話しかけられ、ビクリと大袈裟に肩を跳ねさせる
彰人「……っ、あ……」
冬弥「彰人?」
彰人「べ、別に、なんでもねえよ……大丈夫だから……」
冬弥「そうか……」
冬弥:あからさまにホッとしたような声色で呟く
彰人「……っ、……」
彰人:とっさに何事もないと嘘をついてしまったせいか、罪悪感を覚えてチクリと胸が痛む
彰人「……」
彰人:冬弥と二人で話し合い、大学を卒業するまでは子供を持たないと決めていたことを思い出す
彰人(冬弥に、なんて言えば……)
~数週間後~
彰人「……っ、う……!」
冬弥「……!? 彰人、また吐き気か……?」
彰人「だ、大丈夫、だから……っ、来るな……!」
彰人:体を支えてこようとする冬弥を、片手で制する
冬弥「だが……」
彰人:心配してくれる冬弥を突き放し、急いでトイレにかけこむ
彰人「……」
彰人:数分が経過し、気分が落ち着くまでトイレで吐き終わると、グイッと口元をぬぐう
彰人(もう、気持ちは決まってる……絶対に、産む……おろすなんて考えは、最初からねえ……だけ、ど……)
冬弥『大学生活が終わるまでの四年間は、ちゃんと避妊をしよう』
彰人:同棲を始めた日に、冬弥が言っていた言葉を思い出す
彰人「絶対に、言えっこねえ……」
彰人(冬弥の、反応を……想像するだけで……)
彰人「う……!」
彰人:再び吐き気に襲われてしまい、口元を手で押さえる
彰人「……っ、く、そ……!」
~数分後~
彰人「……は? いま、なんて?」
冬弥「だから、妊娠しているんだろうと言ったんだ」
彰人「……」
冬弥「……」
彰人「な、何言ってんだよ……そ、そんな、わけ……」
冬弥「彰人……なぜ、隠そうとするんだ……」
彰人「か、隠してねえよ!」
冬弥「そうか、だったら……」
彰人「……っ!?」
冬弥:グイッと彰人の腕を掴むと、普段より少しだけ乱暴にベッドに押し倒す
彰人「――――…………っ!?」
彰人:とっさにお腹を庇う体勢をとる
彰人「と、冬弥!? てめえ、なにす……!」
冬弥「いま、腹を庇っただろう」
彰人「……っ!?」
冬弥「それだけじゃない……ずっとセックスに応じてくれていたのに、頻繁に吐き気を訴えるようになってからは、拒むようになった」
彰人「そ、それは……」
冬弥「……」
冬弥:無言で彰人の上に覆いかぶさると、強引に性行為に及ぼうとする
彰人「……っ!? と、冬弥、やめ……!」
冬弥「本当に妊娠していないのなら、セックスに応じられるだろう」
彰人「――……っ!?」
冬弥:彰人の服の中に手を入れると、強引にショーツを脱がせようとする
彰人「あ……」
彰人:妊娠中の性行為は流産の危険を伴うと、産婦人科の医師に言われた言葉を思い出す
彰人「――……っ! や、やめろ……!」
冬弥「――……っ!?」
彰人:必死に拒もうとして伸ばした手が、冬弥の頬に当たってしまう
彰人「あ……」
冬弥「……」
彰人「と……冬、弥……」
冬弥「まただ」
彰人「は?」
冬弥「また、腹を庇っている」
彰人「あ……」
冬弥「無意識だったのか」
彰人「……」
冬弥「無意識に、子供を守ろうとしているんだろう」
彰人「……」
冬弥「なぜ、何も言ってくれないんだ、彰人……」
冬弥:彰人の体を優しく抱きしめる
彰人「――――…………っ!」
冬弥「……」
彰人「ごめ、ん……」
冬弥「……」
彰人「妊娠、した……」
冬弥「ああ、知っていた……」
彰人「言うのが、遅くなって……ご、め……」
冬弥:彰人の言葉を遮るように、唇を奪う
彰人「――……っ、ん……」
冬弥「彰人……」
冬弥:彰人の首に顔を埋めると、チュッチュッとリップ音を立てながらキスマークを残していく
彰人「と、冬弥……っ、だ、だめ……」
冬弥「分かっている、キスをしているだけだ……」
彰人「……」
冬弥「彰人、ありがとう……」
彰人「……?」
冬弥「本当のことを、言ってくれて……」
彰人「……」
冬弥「俺を、父親にしてくれて……」
彰人「――……っ!」
彰人:じわりと、目尻に涙を浮かべる
彰人「バカ、気が早えよ……」
冬弥「ああ、数ヶ月後まで、待ちきれそうにない……」
彰人(なんで、早く言わなかったんだ、オレ……)
彰人:目尻に溜まっていた涙がこぼれそうになり、グイッと目元を擦る
彰人「バカは、オレのほうだな……」
〜数ヶ月後〜
彰人「う……っ、い、今、何時……っ、げ……っ、さ、三時……だと……」
彰人:赤ん坊の夜泣きで目を覚ますと、まだ眠っていたい体を無理やり叩き起こして、ベッドから抜け出す
彰人「冬弥……」
彰人:先に目が覚めていたらしく、すでに赤ん坊をあやしている冬弥と目が合い、声をかける
冬弥「すまない、起こしてしまったようだな……どうやら、俺では、泣き止んでくれないようだ……」
彰人「……」
彰人:ふっと微笑みを浮かべると、冬弥から赤ん坊を受け取る
冬弥「すごいな、一瞬で泣き止んだ……」
彰人「まあな」
冬弥「安心したが、どこか複雑な気分だ……」
彰人「冬弥に似てるからだろ」
冬弥「え?」
彰人「冬弥と一緒で、オレのことが好きなんだよ」
彰人:赤ん坊をあやしながら、柄にもない冗談を口にする
冬弥「いや、口元は彰人のほうにそっくりだ」
彰人「おい、スルーすんな」
〜数分後〜
彰人「は、あ……っ、ん……っ、や、あ……っ、あ、ああ……」
冬弥「……っ、彰人……」
彰人・冬弥:赤ん坊を寝かしつけ、数ヶ月ぶりにセックスをしている
彰人「あ、ああ……っ、あ、ん……っ、は、あ……っ、あ、ああ……!」
冬弥「彰人……」
彰人「……っ、冬……弥……?」
冬弥「二人目は、彰人に似ているといいな……」
彰人「……? 冬、弥……っ、な、に……」
冬弥:彰人の中からヌルンッと性器を引き抜くと、彰人に見せつけるように目の前でゴムを外す
彰人「……っ!? と、冬弥……っ、まさ……か……」
冬弥「……」
冬弥:ゴムを外したばかりの性器を、躊躇することなく彰人の中に挿入する
彰人「――……っ、あ、ああ……!」
冬弥「……っ、彰人……!」
冬弥:とめどなく愛液を溢れさせ続けている彰人の中を、硬く大きくなった性器で激しく掻き回しながら、一番太い先端部分で子宮口を満遍なく叩きつけるように、何度も激しく奥を突き上げ続ける
彰人「や、あ……っ、ん、あ、ああ……! ま、まて……って、とう、や……! だ、め……っ、き、きけん、び……っ、だか、ら……!」
冬弥「ああ、知っている……もう一度、俺の子を孕んでくれ、彰人……!」
彰人「そ、んな……っ、あ、あ、あん……っ、あ……! だ、め……っ、い、くう……!」
冬弥「――――…………っ!」
冬弥:彰人の絶頂時の締め付けに耐えきれず、子宮口の奥にたっぷりと子種を注ぎ込もうとするかのように、勢いよく射精する
〜約一年後〜
彰人「……ったく、お前な、冬弥に言われたからって、本当にオレ似で産まれてくるとはな……」
彰人:少し前に産まれたばかりの下の子の頬をぷにぷにしながら、優しい口調で話しかけている
冬弥「彰人、無事に寝かしつけたぞ」
彰人「上手くなったな」
冬弥「え?」
彰人「え、じゃねえよ、寝かしつけることがに決まってんだろ」
冬弥「……」
冬弥:彰人の言葉に嬉しくなったのか、ふっと柔らかい微笑みを浮かべる
冬弥「ああ」
彰人「そんじゃ、こっちも頼む」
冬弥「分かった」
彰人:冬弥が下の子を寝かしつける光景を眺めながら、柔らかい微笑みを浮かべる
冬弥「彰人」
彰人「ん?」
冬弥「この後、三人目を……」
彰人「仕込ませろってか」
冬弥「ああ」
彰人「ああ、じゃねえ!!」
彰人・冬弥:彰人の怒声で赤ん坊が夜泣きを始めてしまい、朝が来るまで二人であやし続ける羽目になる
〜終〜