❏設定❏
・元ネタ(というほどでもない)→『[Happy Birthday!!2023] 東雲 彰人』のサイドストーリーで、雫が彰人の歌をかっこいいと褒めていた件
・イベント『お悩み聞かせて!わくわくピクニック』のメンバー(絵名、愛莉、雫の三人)で、ビビバスのライブを観に来た(上記のイベントに出てくる瑞希は話の都合上いない設定)
・雫が冬弥の名前を呼ぶ時の呼称が分かりませんでしたが、彰人のことは「彰人くん」と呼んでいるため「冬弥くん」にしました
・↑前提で、ライブが終わった直後から
❏本文❏
彰人:絵名の無茶ぶりによって、冬弥、杏、こはねより先に三人の元にやってくる
彰人「……ったく、絵名のやつ、人を呼び出しておきながら……」
彰人:愛莉とのお喋りに夢中になっている絵名を軽く睨みつけながら、苛立ち混じりの低い声で呟く
愛莉:彰人がやってきたことに気がついていないのか、絵名との会話を続けている
雫:絵名と愛莉より先に彰人がやってきたことに気がつくと、二人のそばを離れて彰人の元へと駆け寄る
雫「お疲れ様、彰人くん。彰人くんの歌とダンス、とてもかっこよかったわ」
彰人「――――…………っ!?」
雫:両手を胸の前で重ねあわせる女性らしい仕草をしながら、ふわりとした笑顔を浮かべている
彰人:一瞬で真っ赤になった後、ハッと目を見開く
彰人(な、なに過剰反応してんだ、オレ……かっこいいなんて言葉、ただのお世辞に決まって……)
雫「あら? 急に赤くなって、一体どうしたの?」
彰人「……っ!? あ、いや……別に、なにも……」
雫「そう? もしも具合が悪くなったのなら、無理はしないでちょうだいね?」
彰人「……」
雫:心配そうな表情を浮かべながら、彰人の顔をじっと見つめる
彰人:心中の呟きとは裏腹に膨らんでいく期待にドキドキと心音を高鳴らせながら、雫の顔をじっと見つめ返す
雫「あ、冬弥くん!」
彰人「!?」
雫:遅れてやってきた冬弥の名前を呼びながら、クルッと方向転換する
雫「冬弥くんの歌とダンスも、とても素敵だったわ。見ていて、惚れ惚れしちゃったもの」
冬弥「本当ですか、ありがとうございま……ん? どうしたんだ、彰人?」
彰人「……」
絵名・愛莉:二人同時に彰人の肩をぽんっと叩く
絵名「残念でした、彰人」
愛莉「雫はね、誰にでもあんな感じなのよ」
彰人「……」
杏・こはね:二人で話をしながら歩いてきたのか、冬弥より少し遅れてやってくる
こはね「皆、遅くなってごめんね……って、東雲くん、どうしたの?」
杏「も~、ほんとだよ! 皆で最高のライブをした直後なのに、苦い虫を飲み込んじゃったみたいな変な顔しちゃってさ~!」
冬弥「それを言うなら……苦虫を噛み潰したような顔、だろう」
彰人「お前らな……ったく、人の気も知らねえで……」
雫「ふふ、こはねちゃんに、杏ちゃんも……二人のパフォーマンスも、とても可愛かったわ」
彰人「……」
彰人:ニコニコと無邪気に笑っている雫を見つめてはあっと溜息を吐くと、いじけた素振りでスッと目をそらしながら独り言のようにぼそりと呟く
彰人「……どうやら、言う相手を間違えたっぽいな」
雫「え?」
~終~
彰人の最後のセリフが分かりにくいかなと思ったので補足。
「お前らな……ったく、人の気も知らねえで……」というセリフのことを指しています。