たたないっ!2「ねーねー硝子ーどう思うー? 俺なんかしたかって感じなんだけど……」
家入の机の前に勝手に椅子を持ってきて、向かい側に座って頬杖をつく五条に、家入は冷めた目線を向けた。自分を除いた二人の同級生がそういう仲であることも、くっつくまでにあらゆる方面に迷惑をかけまくったことも、身をもって知っている。しかも、どうせ放っておいてもすぐに元鞘に収まるのだ。わざわざ首を突っ込んで火傷を負うほど、家入はお節介でもお人好しでもない。
「失せろクズ」
「ひどい!」
泣き真似をしながら机に突っ伏す五条にも、家入は動じない。誰もが見惚れる極上の美貌も、五条自身をよく知る家入にはまったく効かなかった。柔らかな白髪の上にタバコの箱を積み上げていく家入はしかし、いつもなら「いたずらすんな!」と起き上がる五条の反応がないことに気づいて手を止める。
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