僕ら愚かな山羊になれ湘南のプレデター皿斑、お供のレフティーエイリアン。血走った二対の瞳がぎろりと僕を睨みつける。
「キミたちの元ネタはその非力な人間に殺された、それは何故か?……答えはここ、ですよ」
わざとらしく人差し指でこめかみをトントンと叩く。これだけでも挑発兼アピールになったはず。
この奈落から勝ち上がるには、二子一揮という司令塔が必要だと。
案の定、二人の化物は怒り狂いながら試合の申し込みに応じてくれた。
「痛ッ……!」
僕の胸ぐらを掴むエイリアン、右肩に鋭く爪を立てるプレデター。もし僕が一人きりだったなら、たちまちボロ雑巾にされていたかもしれない。
しかし今の僕にはたった一人残った戦友、氷織羊くんがいて、頼んでもいないのに喧嘩の仲裁をしてくれている。
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