火花どれくらい歩いただろうか、朝から行くあてもなくたどり着いた。
陽は傾き始めた頃、見知らぬ学生服を着た同年代も何人か見送った。
少し大きめの学生服を着た男女はそれだけできらきらした存在に思えた。
数週間前、学生たちの入学式を彩った桜も今では道路にへばりついて、そんな桜に目を向ける者はいない。
場地の体は朝から歩き続けた足よりも、腹の音が先に悲鳴を上げた。
住宅街に似つかわしくない轟音に近い排気音はすぐに耳に届いた。
音の矛先である角を曲がると、派手な見た目とバイクの男たちに囲まれる学生服に身を包んだ金髪リーゼントの男がいた。
総長を名乗る男は大声をあげて、敬語と挨拶を覚えさせると言い、
不利な状況であるはずの金髪リーゼントは、先制して頭突きを入れた。
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