創作のやつ「19号、昼ご飯です。しっかり食べなさい。」
カタッ
作りたてのご飯が乗った食器が置かれた。
今日のメニューはオムライスとコンソメスープ、そしてオレンジジュースだ。
オリのような研究所内の部屋。物心つく前からここにいる。
ソファー、テレビ、ベッド、おもちゃ...一見とても居心地が良さそうな部屋だが、基本俺1人しかいないため、俺にとってはただただ広いだけの部屋になっている。
研究員の姿が消えたらベッドから起き上がり、置かれたオムライスに手をつける。
...ようやく姿を消した。
19号。それが俺に与えられた番号。
19号だってんだから他に人体研究された者が18人いるという事であろう。現に2号、9号、12号、そして18号は見た事があるし、そいつらの他は失敗したり脱走したり死んだりでいないはずだ。
....オムライスのチキンライスがベチャベチャすぎてとても食べられたものじゃない...不味い...
ごくまれにこういうゲロマズ料理がでてきたりもするが基本普通に美味しい。
よし食べ終わった。
自分の部屋を出て、食堂へ向かう。...食器を返すために
食堂は唯一他の実験体と話せたり会えたりする場所である。
「よぉ。あれ、シケたツラしてんな。...あー...もしかしてオムライスかありゃ酷かったよな」
12号だ。身長といい見た目といい年齢はかなり離れているはずだ。いつも話しかけてくれる良い兄貴...たまにクソだけど
「お前もか...オムライスのチキンライス酷かったよなぁ...」
「俺不味すぎて捨てちゃったよw」
「色々ダメだろww」
いつもこんな感じである。くだらない話題を笑いながら話す。これが良いのだ。
カーンカーン
...チャイムの音が響いた。
「...っと...もう部屋に戻る時間だな」
「じゃあな」
部屋に戻る。夜ご飯まではまた1人だ。まだ話したりなかったのに...
癖でポケットに手をつっこもうとすると、なにか固いものに当たった。
ポケットになにか小さめの機械が入っている。
取り出してみると、携帯のようなものの右上に細長いものがついていて、話せそうな場所がある機械が入っていた。