まだまだ知らない君のことシュウは構われすぎるのが好きじゃない。
これは俺がシュウに抱いてる印象のひとつだ。
嫌い、とまではいかないかもしれないけど、シュウはちょっと構いすぎると誰にも気付かれないくらいそっと一歩引いてしまうところがある。
気まぐれで捉えどころの難しいシュウは、まるで猫みたいだ。
俺はどちらかというと構いたがりなところがあるから、ちょっぴり寂しかったりもするけれど。
シュウとお付き合いを始めて二か月。シュウのことをまた少し知ることができた今も、その印象は変わっていない。
『ルカ、そろそろ寝ないといけないんじゃない?明日朝早いって言ってたよね』
「あ~そう。ちょっと用事があってさ…もうそんな時間?」
寝る前の数十分。ちょっとだけでいい、という俺の我が儘から始まったこの通話は、シュウが嫌にならない程度にという絶妙な周期で続いていた。
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