上司の噛みグセが酷いあぁ、最悪だ。
先日捕まえた宝盗団から、この遺跡に隠したとされる何らかの文書を回収する為に私と上司であるガイアは駆り出された。回収だけならサクッと終わるだろうと2人だけで乗り込んだはいいものの、1番奥の部屋で目当ての文書を手に取った瞬間に通ってきた扉は閉ざされ、蔦まみれの石壁は崩れ落ちて奥から遺跡守衛が何体も出てきた。不味いことに私達は近接型で、高い位置にある相手の弱点を突くことは難しい。ひたすらに剣を振るうことしかできなかった。1体、また1体とゆっくりだが確実に仕留めていく。これならなんとか全部破壊できそうだと息を整えながらガイアをちらりと見て状況を再確認したその時、事件は起きた。
ごぽり、ごぽり。
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