Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    るりとらのを

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 15

    るりとらのを

    ☆quiet follow

    【固定】ディルック夢

    ディルックに寝込みを襲われた最近寝苦しいような気がする。そう感じ始めたのは1週間ほど前、特に天候が荒れているわけでもなければ寒暖差が激しかった訳では無い。では何故?思い当たることは何も無かった。朝起きるとただただ、身体が重い上に夢を見ない日々が続いている。

    ディルックに拾われてから2ヶ月とちょっと、最初はワイナリー付近しか歩かせて貰えなかったが今では城内まで行けるしたまにバーでお手伝いもしている。盗賊に拘束されていたあの頃とは全く違う生活にも慣れて、毎日が楽しいのだ。精神的にダメージを受けているとは考えにくい。
    一応ディルックに相談すべきか考えたが、朝から晩まで忙しい彼に余計な心配をさせてしまうのは申し訳ない。
    その内治るだろうと放置の道を選んだ夜、毎晩飲むようにと渡されているハーブティを飲み忘れてそのまま寝てしまった私は、自室の扉を開く音と近づいてくる足音で目が覚めた。

    深い溜息が聞こえる、恐らくディルックだろう。そのままこちらへ進み、私が眠るベッドへ潜り込んできた。部屋を間違えているのかと思ったが私がいる時点で気づく筈だ。しょぼしょぼした目で窓をチラリと見ればまだ暗い、こんな時間まで彼は何をしていたんだろうと考えながら隣にある温もりにウトウトし始める。
    隣のディルックは私の肩口に顔を埋めたままピクリともしない。シャワーを浴びてきたのだろうか、ほんのりと石鹸の匂いがする。寝てしまったのなら好都合、このまま私も二度寝をしようかと考えていたその時、突然彼は動き出した。身を乗り出したのか顔の近くでベッドの軋む音がする。そのまま私の頬に手を添えて、そっとキスを落とした。

    キスを?落とした?どこに?唇に触れた温かさにピシリと身体が固まる。私達ってそうゆう関係でしたっけ。どうしよう汗かいてきた。ファーストキスではないけれど、こんな恋人がするように優しい手つきに心拍が深く、早く脈打つ。まだ解放されない唇が震えてしまいそうだ。どうやって息をすればいいのか、そもそも今まで息してたっけか。体内の酸素残量を想像しながら息を止めていると、べろりと最後に唇を舐められて私は開放された。
    あまりの恥ずかしさにいたたまれなくなった私はすかさず寝相を打つフリをして彼とは反対側へ体を向けた。起きればよかったのに、なぜだかできなかった。とにかくバレないようにと祈りながら忙しなく脈打つ心臓を体全身で感じ、固く目を瞑った。

    「起きているのか」

    いいえ起きてません。背中から聞こえる声に肩が跳ねそうになる。ここで返事をしないで無視を貫き通せば彼もそのまま寝てくれないだろうか。気付かれないように少しだけ大きく息を吸って吐いた。

    狸寝入りを初めて5分…いや、10分は経っただろうか。ディルックはあれから私を後ろから抱きしめ、身体をぴたりとくっつけて少し荒い呼吸を繰り返していた。首筋に顔を擦り付けているのか、彼が息を吐く度に息や毛先が肩口を擽る。
    本当に様子がおかしい。普段と違いすぎる態度に何か嫌なことでもあったのだろうか、彼の様子に眠れる訳もなく、お腹に回された腕を見つめた。普段隠されている手や腕には傷がいくつも残されている。自分のことは多く語ろうとしない、でも思ったことは口に出てしまうし、それでよく誤解をさせてしまうがすぐにこう伝えたかったと教えてくれる。そんな不器用な彼、私を拾ってくれた恩人。私の光で、神様。だから、彼が苦しんでいるのならほんの少しでも取り除きたいし私に出来ることがあるのなら、私は喜んでこの身を差し出したい。


    そう思っていた……はずだった。
    勝手に1人しんみりしていた私のお腹なぞり、ゆっくり、ゆっくりと這い上がる大きな手。えっ?という言葉は辛うじて出なかったが思考が追いつかない。慣れた手つきでワンピースの肩紐を引っ張りおろし、下着を纏っていない胸は外の空気に晒された。
    んんん???これはなんだ?もしかしてこれが俗に言う夜這いというものだろうか?私が寝ている間に好き勝手しているのか、はたまた私が起きていることに気付いて意地悪をしているのか、さてどっちだろう。正直どっちに転んでも絶望的だ。

    一応婚約者枠には入っているがお互い利害の一致の元で決めたことであり、そこに恋だの愛だのは含まれていない。その上私が色々やらかしては叱られていることが多いので恋愛のれの字も存在していなかったのだ。さっきまでディルックは私の事をそこらで拾ったカルガモ程度にしか思っていないだろうと信じて疑わなかったのに!
    そうこう考えている間にも彼の手は止まることはなく、私の胸をやわやわと揉んだり撫でたりと好き放題している。外の空気と彼の指により乳首はびっくりするほど硬くなっていて自分で引いている、誰でもいいから助けて欲しいけれどこんな状況誰にも見せられないので来ないでください。

    ちゅ

    背中から柔らかな感触と共にリップ音が響く、項、首筋と上がっていき、耳にかった髪をフッと息で払う。声が出そうになるのを奥歯を噛み締めることで回避するが、そのまま止まることなくキスは続き、耳をベロり。ぞわりと鳥肌が立つが気付いていないのか耳の穴の中に舌を差し込まれる。ダイレクトに伝わる水音と熱い舌に頭がクラクラしてきた。

    もし、あの身体のだるさの原因がこれだとしたら、私はあのハーブティを飲んでから毎晩身体を弄られていたという訳だろうか…
    モンド一のお金持ち、顔もよし、頭もよし、紳士的で強い人なんだからすごくモテる上に女なんて選り取りみどりではないのか?!なぜ私…と思いつつ、身分不明な厄介者を拾ったんだから好きにしたいよね都合いいもんねと自分で納得してしまった。

    お尻にグリグリと擦り付けられている硬いものを感じながら心の中で頭を抱えた。
    このまま私が狸寝入りを続けて終わるのを待てば、明日の朝も彼はいつも通りおはようと言うのだろうか。もう考えるのを辞めたい。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💖💖💖💖💖💖💖💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator