とある日の昼下がり、裾の長い外套を羽織らされたイルカは、教え子の山中いのに手を引っぱられて火影室へと連れて行かれた。慣れない踵の高い靴を履かされて、足首を捻りそうになる。
「やっぱり、やめよう。いの」
「大丈夫だって、イルカ先生! 火影様ビックリさせよう!」
いのは火影室の扉の前まで行くと、ほとんど立ち止まらずに申し訳程度のノックをして勢いよく扉を開けた。アカデミーの頃は行儀のいい優等生だと思っていたのに、なかなかのお転婆である。
「失礼しまーす! 見て見て、火影様ー! 仮装パーティーの衣装を試しに着てもらったんです〜!」
いのは、ナルトにも負けないくらい陽気なデカイ声を出した。
「ちょっと、いの……火影様もお忙しいから……」
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