好きです。ストレートにものを言うところが似ているとおもう。今日も風紀員の仕事をこなしながら他愛のない話をする。
「平野先輩って兄弟居ますか?」
「いーや、1人だけど」
「以外です。妹さんとかいそう」
「宮野、一人っ子だっけ」
「はい、そうです。平野先輩面倒見が良いので兄に欲しかったですね」
「面倒見てもらう前提かよ」
「あとネタ提供して頂けると思うと仲良くしたい兄ポジションですね」
「あ?」
「そうやってストレートに感情ぶつけて貰えるのも助かります」
「宮野もはっきり言うじゃねぇか」
「自分で言うのもアレなんですが、結構思考回路がマイペースなので、気がつくのに時間がかかるタイプなので」
「なるほど」
「だから平野先輩のそういう真っ直ぐなところ憧れますし、好きです」
「……」
「…先輩?」
「そーゆーはずいこと言えるところ、俺も良いって思う…」
「はずい??」
「無自覚か」
「とりあえず、ありがとうございます」
「ふはっおもしれぇやつ」
タイミングよくベルが鳴る。
書類整理の続きはまた明日。
話の続きは、きっといつか思い出話になって出てくるだろう。
なんの根拠も無いけれど、卒業してからもこの可愛い後輩とそうやって昔話ができる仲が続く、そう予感してならなかった。