『フューチャー・イヴ』これをしたら、もう絶対に助からないということを覚悟したうえで、ボクはセルマックスに突撃を仕掛けた。強い衝撃とともに、意識がぶつんと途切れた。
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どうしてかは分からないけれど、次にボクが見た景色は、いつもと変わらない様子のレッドリボン軍基地だった。
「はっ……!?」
ボクはさっきまでの勢いで出そうになった大声を堪える。ボクが見ていたのは悪い夢か何かだったのかもしれない。人造人間が夢を見るのかは知らないけど。とにかく何がどうなっているのか確かめないと、とボクは基地に入った。
「あれ……?またガンマさんだ」
「さっきもここ通ったよな?Dr.ヘドと3人で」
「しかも急に服がボロボロだし」
そんな内緒話を、兵士たちがしている。ちらりと、皆が持っているスマホが見えた。そこに表示されている日付は、あの日の2か月前だった。嘘だろ……?ボクは、過去にタイムスリップしてしまったらしい。どうしよう!見た目では平静を保ちつつ焦っていると、ついに話しかけられてしまった。
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