冷凍ピザは温めないとダメです 🐑✒️/✒️🐑ヴォックスと気持ちよく飲酒配信を終わって、ディスコードも切った。
さっきまでヴォックスと話していたからどこか少し寂しくて、ふわふわした状態のまま特に何も考えずファルガーに通話をかけた。
あっちは今何時だろう?そんな、いつもなら気にすることも酔っ払った僕は何も気にしてなかった。ただ早く出てくれないかなーってそれしか考えてなかった。
「アイキー?」
「ふぁるがぁー」
「待て、酔っ払ってるな?」
「酔ってなんかないよぉ」
「わかったわかった、それで?どうしたんだ?個人で通話なんて珍しい」
「んーと」
話すこと何も決めてなかった。ただ何となく話したかっただけ。
「わかんないや」
「分かった、1回水を飲め。何か食べたか?」
「あ、ご飯…んーーー」
流石に料理をする気力は無いので冷凍のものを漁る。
「ぴざ…」
「お?ピザか。いいな」
「ふぁるがー、冷凍ピザってあたためるの?」
「あーーー…温めた方がいいと思うぞ?」
「わかったぁー」
ピッ
表記はしっかり見てないけど、とりあえず電子レンジに入れて何となくの時間で温めを開始する。
待ってる間、暇でベッドに横になる。
ファルガーは「今日は楽しかったか?」「何を飲んだんだ?」「そういえばこの本面白かった」など他愛もない話をしてくれた。優しくてゆったりしたオフの彼の声は落ち着く。
段々とまぶたが重くなっていき、意識半分で色々な話を聞いたり話したり。きっと僕の話は支離滅裂だったんだろうけど、いっぱい聞いてくれた気がする。
気付いたら朝だった。
話したことはほぼ何も覚えてない。
ディスコは切れていた。けどメッセージが1件だけ。
『起きたら水を飲むことと電子レンジを確認することをおすすめする』
そのメッセージを読んで慌てて電子レンジを確認すると、全く温かくない冷めきったピザが入ったままだった。
しばらくお酒は控えようと心に決めた
………………………………
突然かかってきたアイキーからの電話。
1言目で酔っているのは丸わかりで、いつもの頼れる先輩、仲間とは少し違うアイキーに笑みがこぼれる。
支離滅裂な話も「うんうん」と聞いてあげれば「ふへへ」とへにゃへにゃで可愛らしい笑いが返ってくる。
10分程度、そんな可愛らしいアイキーに癒されていたら声がどんどん眠そうな声に変わっていった。きっとこのまま寝るんだろうなーと心の中で思いながら波長を合わせて話していると限界が来たようで
「I love you,ふぅふぅちゃん…」
と一言呟いて眠ってしまった。
最後になんて爆弾を落とすんだ。
でもきっと明日には覚えてないだろうな。
すぅすぅと寝息が聞こえる。
ディスコードにピザの存在を思い出させるメッセージだけを送り、
「love you too. Good night」
もう聞こえてないであろう彼に囁いて、
通話を切った。