幼き頃の思い出🦁🐑「ねぇどうしたらふーちゃんとずっと一緒に居れるの?」
「そうだなー結婚するとかか?」
「じゃあおれ!ふーちゃんとけっこんする!」
「残念だが、この国では無理だなー」
「分かった!じゃあこの国を抜け出して、2人でけっこん?しよう!!」
「ははっ、分かった、楽しみにしてるよ」
ピピピッ
「…懐かしいな」
地元でよく遊んでいた1人の男の子。
相手は小学生で、俺は高校生で放課後近くの公園でよく遊んでいた。
あまり学校にも馴染めず、家に帰ってもやることがなかったから人の少ない公園で自然を感じながら本を読む。これが俺の最高の時間だった。
そこに現れたのが同じく学校にあまり馴染めなかった小学4年生のルカだった。
「なにしてるの?」
「見ればわかるだろ?読書だ」
「なんで公園で読んでるの?」
「好きだからだ」
「俺も!この公園好き!」
最初はこんな会話だったと思う。そこまで優しくした気はなかったのに、何故か懐かれた。初めてあった日から平日はほぼ毎日ルカと過ごした。いつのまにかふーちゃんとあだ名で呼ばれ、その日学校であったことを聞いたり、極たまにサッカーをしたりして体を動かす遊びもした。
ルカと出会って半年が経とうとした頃、親の都合で俺まで引越しをしないといけなくなった。元々学校が変わることに特に後ろ髪を引かれることは無かった。ただ1つ。ルカにはもう会えなくなるんだなと思った。
言わないで去ると、次はいつ来るんだろうといつまでも来ない俺を待つ気がした。だから、伝えたんだ。
「ルカ、明日で俺遠いところに行くんだ。だからもうここには来れない」
小さい子ながら、困惑しながら頑張って意味を咀嚼しようとしている姿は今も目に浮かぶ。そして咀嚼し終わった後が今日の夢のシーンだ。
元気にしているだろうか。俺はもうアラサーだが、ルカはちょうど20歳くらいか?どんな大人になってるんだろうな。きっと素敵で優しい大人になってるんだろう。まぁ俺から見たら20歳も子供ではあるが笑
ピンポーン
こんな朝から宅急便か?
「はーい」
ガチャ
扉を開けると筋肉質で、毛皮のコートを肩にかけて白いハット帽を被っている金髪のイケメンが立っていた。
なんだ?威圧感が凄いんだが…
「ふーちゃん!!!やっと会えた!!!」
そう言って思わず倒れそうになるほどの勢いで抱きつかれた。
「えーっと…どちら様で…」
「俺だよ俺!ルカ!!」
「えっ?!ルカ…?!」
「さぁ行こう!!」
肩を掴まれにっこりと満面の笑みを向けた。確かにあの時の笑顔の面影がある。
「ほら!早く!!」
「ちょっちょっと待て!どこに行くんだ?!」
「俺たちが結婚できる国にきまってるじゃん!!」
そう言うとルカの後ろにはしごが垂れてくる。上からは地響きのような大かな音がする。部屋から出てハシゴの先を見るとヘリにつながっていた。
「しっかり捕まっててね!」
そう言って圧倒されてる俺を片手で抱き上げ、もう片手でハシゴに手をかける。それを合図にヘリは上昇し、俺たちはまるで飛んでいるようだった。
「ど、どうやって俺の家を…というか、パスポートも持ってないんだが!」
「そこは任せてよ!余裕だよ!だって俺、マフィアのボスだからさ!」
「ま、マフィアのボスっ?!」
「ふーちゃんのこと一生離さないし、愛してるよ(チュッ」
『10数年前の俺よ。
お前が今遊んでるやつはやばいやつだ。
くっそ重いしくっそ大胆だ。
でもきっと幸せにしてくれる。
たぶんな笑』