未定冷房の効いた室内で冷えた腕に、肩に寄りかかってきた体温が温かくて心地いい。
いつもプライベートでさえつんつんしている恋人が珍しく素直に甘えてくるものだから驚いた。こちらの肩に頭を預けていただけの姿勢から、そのままずるずると体制を崩して、俺が膝に置いていたクッションを巻き込んで膝の上に寝転がってくる。
珍しくオフが重なった平日の今日は、朝から生憎の雨模様だった。出かける予定をキャンセルして家で過ごそうと言うことになったが、見たがっていた映画はもうどうでも良くなったようだ。
ふかふかのクッションに顔を伏せたままの恋人のサラサラした髪を撫でる。
「…眠くなっちゃった?」
触れた体温がいつもよりほんのり温かい気がして、映画の音量を落として尋ねてみる。
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