シェアハピ! 去年の冬に買い込んでいた季節限定のポッキーの箱を開け、分厚いチョコレートの層を口の中で溶かしながらむぐむぐと咀嚼する。
ソファーにずっしりと座ってテレビ画面に向かい、進めているゲームのパーティ編成をあれこれ変えながらポッキーをまた一本口にくわえると、かたんっと部屋の扉が開く音が聞こえた。
悟はその音に振り返り、ぱきぱきとポッキーを噛みながら折って口を開く。
「おかえり」
「ただいま、はーもう外はかなり暖かいね」
外から帰って来た傑は春物のコートを脱ぎながらそれをハンガーにかけ、ソファーの端にひっかけてあった部屋着に早々着替えてしまう。
この頃は、朝こそまだ冷え込むが昼になると薄着でも十分過ごせるくらいに暖かく、順繰りと着るものにも衣替えが進んでいた。
傑は胸元が大きく開いたヒートテック一枚にショート丈のパンツ姿になると、ぺたぺたと裸足でフローリングを歩きながら悟の前にぼすんと座る。
ちょうど悟の胸の前、腕の中にすっぽりと納まる様に腰を下ろした傑は、ひょいとその悟の手元からコントローラを奪い取った。
「昨日組んだやつは?」
「あれはあれで良かった、倒したし。周回用のパーティ組んどこうと思ってさ」
「なるほどね」
まあ進める分には問題なさそうだな。と傑は先ほどの悟と同じようにテレビ画面を向き、パーティ編成の画面からセーブデータの選択画面へと画面を遷移させていった。
連日こうしてゲームをしながら二人でああでもないこうでもないとストーリーを進め、今日は試行錯誤を重ねたパーティ編成によってようやく数日詰まっていた面を突破したばかりだった。
もうちょっとこの辺解放した方が良いよな…と呟きながら傑は画面に表示されたキャラクターのステータスを見つめている。
そしてそんな傑の様子を悟はポッキーを片手にちらりと見下ろすのだった。
同じようにテレビの画面を見ていたものの、やっぱり目が行くのは傑の方。
しかも今は目下の傑の顔の先に、ヒートテックの胸ぐりから覗く谷間があったのだ。
下着でしっかりと支えられた、悟の片手にもずっしりと重たい乳房が合わさったことにより作られる谷間。見つめているとその隙間に吸い込まれそうにもなる。
指を差し込んでみようか…と思ったが、悟はその時その指先にポッキーがあることを思い出したのだった。
ある程度長さが合って、チョコレートも比較的分厚い冬限定のポッキー。
この条件下で悟は、ほとんど反射とも言える行動を起こしたのである。
小分けの袋に残った最後の一本を取り出すと、悟はそのポッキーをずぶりと傑の胸の谷間に挿し込んだ。
力づくで押し込まなくてもいいように、より胸元に近い谷間にくいくいとポッキーの先端を擦りつけると、ポッキーはその谷間の中にゆっくりと沈んでいく。
柔らかいチョコレートでコーティングされていたおかげか、傑の体温で溶けだしたそれは潤滑剤の役目を果たし、するすると出し入れする運動を手伝ってくれる。
これはやばいな…と悟が谷間から夢中でポッキーの出し入れをしていると、「おい」と下から呼びかけられた。
コントローラを膝に置き、ぱっと悟を見上げた傑がじっとりとした目をしている。
「何してるんだよ」
「ん?んー…」
「はあ?」
呆れたような傑の顔を、チョコレートに塗れてポッキーを挟まれている柔らかな谷間。自ら引き起こしとはいえ、悟には効果てきめんに違いなかった。
すると傑は腰をぐっと悟の方へと押し付け、尻にあたるごつごつとした存在にふふっと笑った。
「硬くしてさ?」
「そりゃね」
「で、この硬いのはどうしたんだい?」
両手で胸を抱える様に挟み、谷間をより悟に見せつける様に持ち上げてみせる。
甘いチョコレートの匂いが手伝って、早くも悟はくらくらとしてしまう。
「うーん、チョコ塗れにしてほしいかも?」
「はは、なんだそれ!」
正直なもんだね。と傑は言いながらもその返事がお気に召したのか、身体ごと悟の方を向きながらソファーから降りると、早速ヒートテックを下乳がぎりぎり隠れるくらいにまで引き上げた。
「悟」
「ん」
胸の谷間から抜き取られたポッキーが傑の手から悟の口に突っ込まれる。
べたべたにチョコレートが溶けたそれをくわえると、傑は悟の股間で膨らんだそれをスウェット越しに撫で、いよいよ取り出そうとしていた。
いまから傑の谷間に挟まれる。このポッキーのように。
ごくりと悟の喉が鳴った。