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    しおん

    @sion__0613 @sion__0613__18のポイピクです
    長い作品置き場

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    しおん

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    シネマスターとスパイの渉英〜〜〜の進捗(終わるのか?)

    #渉英
    s.e.

    かつん、かつんと踵を鳴らしながら一人の男が廊下を進んでいる。
    高い天井と長さも相まって音は反響し、廊下の奥から帰ってきた音は男の耳を楽しませた。
    男に同調するように歩く度にホルスターのベルトも音を鳴らす。恐らくベルトが緩んでしまっているのだろう。通常時なら直ぐに直すところだが、自身を追いかけるように鳴るベルトに気分がいい。男はベルトをそのままに、より複雑な音を鳴らしながら廊下を進んでいく。

    質の良い絨毯の端、大理石が剥き出しになっている部分をこうして歩くのは、この広い屋敷を探してもこの男しか居ないだろう。そもそも、ただの廊下をさながらブロードウェイの大舞台の上のようにステップを踏みながら歩く人間はこの広い街でもなかなかいないかもしれない。
    度々男の上司や同僚には落ち着きを持つようにと呆れられていたが、元来じっとしていられない質のためまともに聞き入れたことは未だなかった。


    時折絨毯の上へ舞い降りたり、気まぐれにターンをしてみたりしながら廊下を移動─いや、もはやショウを行っていた男だが、廊下の終着にたどり着きついにショウはフィナーレを迎えた。
    ガラス張りの廊下を抜けて、白熱灯が照らす室内へ入る。それを音の鳴らなくなった足元で感じ取った男はつまらなさそうに息を吐いた。そうして先程までが嘘のように静かに絨毯の上を移動し奥の扉の前で足を止めると、重たそうなアンティークの鍵を取り出し扉を開ける。


    ─男の名前は日々樹渉。この街で1番大きなマフィアの幹部の1人である。



    その報告を渉が受けたのはつい先程の事だった。
    特に仕事をする訳でもなく、得意の変装で別人に化けたままお気に入りのカフェでコーヒーを楽しんでいたところに─名誉のために弁明しておくと、決してサボタージュをしていた訳では無い。優秀な頭脳と手腕でとっくに割り当てられた仕事を終えてしまった上でのリラックスタイムだ─ファミリーの構成員がすっ飛んできたのだ。
    血相を変えた部下はカフェのオープンテラスでくつろぐ渉を見つけると一目散に駆け寄り
    「大変です、屋敷に何者かが侵入致しました!」
    と叫んだ。
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    しおん

    MAIKINGシネマスターとスパイの渉英〜〜〜の進捗(終わるのか?)かつん、かつんと踵を鳴らしながら一人の男が廊下を進んでいる。
    高い天井と長さも相まって音は反響し、廊下の奥から帰ってきた音は男の耳を楽しませた。
    男に同調するように歩く度にホルスターのベルトも音を鳴らす。恐らくベルトが緩んでしまっているのだろう。通常時なら直ぐに直すところだが、自身を追いかけるように鳴るベルトに気分がいい。男はベルトをそのままに、より複雑な音を鳴らしながら廊下を進んでいく。

    質の良い絨毯の端、大理石が剥き出しになっている部分をこうして歩くのは、この広い屋敷を探してもこの男しか居ないだろう。そもそも、ただの廊下をさながらブロードウェイの大舞台の上のようにステップを踏みながら歩く人間はこの広い街でもなかなかいないかもしれない。
    度々男の上司や同僚には落ち着きを持つようにと呆れられていたが、元来じっとしていられない質のためまともに聞き入れたことは未だなかった。


    時折絨毯の上へ舞い降りたり、気まぐれにターンをしてみたりしながら廊下を移動─いや、もはやショウを行っていた男だが、廊下の終着にたどり着きついにショウはフィナーレを迎えた。
    ガラス張りの廊下を抜けて、 899

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