12/21★誕生日
「ハッピーバースデーディア……イヴェット〜!ハッピーバースデートゥーユー」
「イヴ、おめでとう。」
「おめでとう〜!イヴ、何歳になった?」
「ん!さんしゃい」
「惜しいな。指が2のままだ」
3人でのバースデーパーティー誕生日会に
2人になってしまった誕生日も
「お誕生日おめでとう。イヴ。ごめん。誕生日プレゼントは。また今度買ってくるうな」
「いいの。2人で食べるケーキおおきいね。」
プレゼント、贈り物はいらない。同じ場所に、祝ってくれる人がいたなら。「今日は我慢をしなくてもいいのかな?」と思えた日。
初恋の人がぎこちない手つきで、リボンを結わえてくれた。大切な日。
ピコンピコンピコン
真っ暗な部屋。床に丸まったイヴェットが通知がなった携帯を見る。
「誕生日おめでとう、我が愛しの妹、イヴ!また今度家に遊びに行くぞ。クリスマスに会えるのを楽しみにしている。」
「誕生日おめでと。イヴ姉ちゃん。母さんが姉ちゃんがクリスマスに帰ってくるの楽しみすぎて今から食材やら飾り付けやらで大忙しだよ。クリスマスにはちゃんと帰ってきてね」
「お誕生日おめでとう。イヴェット。この日は私の娘になってくれて有難う。と貴方と貴方のお母さんに思う日で伝える日。悔しいけれどちょっぴり別れた旦那にも、感謝する日。
頑張り屋の貴方が羽休めに帰ってくるのをトラヴィスと一緒に小さな家で待っています。
イヴの顔が見れるのが楽しみです。」
ぎゅっと携帯を胸か口に押し当てて泣きそうな顔をする。
「皮肉よね。今日は一段と星が綺麗に見える。未來なんて……想像つかないわ」
明日の自分さえわかりっこないのに。
バディ組みたて。
空気が澄んできれいな星を見上げる。
はぁっと息を吐くと白い。
エレンさんが暖かいコーヒーを渡す。
「ありがとう。今日はお疲れ様。また明日、よろしくね」
と顔を見あげたらむすっとしているので
「そっとしとこうかな。そういう顔……っぽい」
と踵を返そうとしたら、手を取られてキスされて、花と結ばれたリボンをずいっと渡される
「……ホーキンス。いいや、イヴ、誕生日おめでとう」
「……なんで覚えてるのよぉ……!!こんな時だけ!!ズルい!ぐすっ……うぅ〜」
「僕が覚えていないとでも思って…………どうして泣く?!?!」
泣き始めるイヴェットにわたわたするエレンさん
イヴの顔をハンカチで優しく拭いてあげる
「泣き虫は大人になっても治らなかったのか?」
「うっ……るさい〜!」
あの日と同じ花の匂いに、涙が止まらなかった。
今
帰り道の途中夜空から星が見える、本を閉じると、あの日栞にした花。
部屋の明かりがついているのを見上げる。
「誕生日プレゼント?いらない。だってその日は一緒に居てくれるんでしょう?はっ!……なら、クリスマスは別々に過ごした方がよかったわよね!!」
「何故?どちらも一緒に過ごせばいいだろう。もっと君はわがままになってもいい。欲が薄すぎる」
「……そうかな?」
ただいま!と帰るとエレンさんがいて。食卓には料理がいっぱい。
だって、同じ時に、場所に、祝ってくれる人がいるから。
飾り付けたクリスマスツリー
に幸せそうに笑うイヴとエレンさん
エレンがあたしと一緒に居てくれるこの日は。
「今日だけは我慢をしなくてもいいのかな」と思える日。
ハッピーバースデーイヴェット!!