石乙散文 石流さんとのキスは気持ちいい。触れ合う唇の感触や、絡め合う舌の熱さ、夢中になって思考がぼやけるのも、クセになる。彼の首に腕を絡めて、必死に唇を押し付けて、彼も身体を抱き締めてくれて、身体を密着させて、蕩け合うみたいに。
「ン、ふぁ、あ……」
名残惜しげに唇を離せば、ペロリとその舌で唾液に塗れた唇を舐められた。うひ、っと目を閉じている間にちゅっと触れるだけのキスをされた。
「…っ、いしごおり、さ…」
ゆっくりと目を開ければ、石流さんもじっとこちらを見ていて、しばらく見つめ合った。こうしているのもいいけど、もっとキスしたいなと思っていれば、石流さんがクスリと苦笑した。
「…オマエ、今、自分がどんな顔してるか分かってんのか?」
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