乳の話斎藤が、「なぎこさんと式部さんの乳だったらどっちが好みですか?」と聞いてきた。愚問だ。女学生に擬態しても乳を隠せない女と、慎ましやかに見せて乳を誇る女。どちらもどちらなりの趣がある。
そう答えれば、斎藤は眉根を曇らせて笑った。
「含蓄深いですよねぇ」
俺は腕を伸ばして着痩せする身体を抱き寄せる。え、ここ廊下なんですけど、と斎藤は動揺するが、そもそも廊下で乳の話を始めたてめぇもどうかと思う。
「てめぇも豊胸してやろうか」
「え、いや、でも副長がそう言うなら…」
俺の腕の中で赤面する斎藤は可愛い。ぱっと手を離して、斎藤を解放する。
「冗談だ、真に受けんな」
斎藤の頬がますます赤くなる。ついばむと熱い。
「ほんと、ほんとに…あんたって人は…!」
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