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    katokato2914

    @katokato2914

    ある日の暮れ方の事である

    最近はえっちなR-18なものばかりだから未成年の方は絶対見ないでください

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    katokato2914

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    ホトスタ小話
    今日がハロウィンです

    「Trick or Treat!スタースクリー」

    「菓子など無い」

    開口一番ぴしゃり、とドアを閉められた

    「ちょ待てよ」

    ドアを無理矢理こじ開け、顔をねじ込む

    当然スタースクリームと目が合う事になるのだが、その彼は何故か少し困ったような顔をしていた

    そんな顔されて、止まる俺では無い

    「トリックオアトリート!」

    「貴様に、渡す、菓子など、無い」

    丁寧に言い直しやがった

    「嫌だねいいからお菓子を……いてててててて指挟んでる挟んでる!!!」

    容赦なくドアを閉めてくるスタースクリーム

    取り付く島もないったらありゃしない

    俺は何とかドアの隙間に足をかけ、スルりと室内に侵入して見せた

    「お前ほんっとふざけんなよ……」

    挟んだ指を庇いながらスタースクリームを睨みつけた

    未だヒリヒリジンジンと痛む。後でとっつぁんに見てもらわないと

    「貴様みたいに何時でも浮かれ気分でいる訳では無いのでな。だいたい貴様は地球の文化に馴染みすぎだ。この前だって…………」

    彼は怯むことなく、くどくど小言を言い始める

    よくもまあそんなに小言を言えるものだ、浮かれているのはお前も同じだろう

    「そんな事言って、スタースクリームもマイクロンとラッド達にお菓子やってたじゃん」

    「貴様!何故それを!」

    ガバッと彼が身を乗り出した

    はい、図星

    スタースクリームは見るからに狼狽し、辺りをキョロキョロと見回した

    カメラか?カメラが仕掛けてあるのか?と明らかに狼狽しながら呟いている

    「ふふん、俺にわからない事など無いんだぞ」

    本当はマイクロンとラッド達がやけに嬉しそうにしていたから、彼らから話を聞いただけなんだけれど……

    なんか?手作りらしいじゃん

    凄い美味しかったらしいじゃん?

    いや別に羨ましかったって訳じゃないが

    俺にはくれないんだ〜とかは思ってないけど?

    「って言うことで俺もその菓子が欲し……いやハロウィンの仕来りに乗っ取ってお菓子を貰いに来た」

    ビシッとかっこよく指を彼に突きつける

    声も低くして囁くように言ってやろう、これで落ちないハズはない

    「Trick or Treat……だ」

    「……」

    スタースクリームはぐっと顔を歪めている、何やら考え込んでいるようだ

    もしかしてお菓子、無くなっちゃった?渡す菓子は無いってそういう事?

    だとしたら追い返そうとしたのも合点が行く、誰だってイタズラは嫌だもんな

    「フフフ、無いのなら俺によるキツーいイタズラが待っているぞ」

    「キツい、イタズラ……か」

    スタースクリームが表情を消し、首を傾ける

    まあ今回は顔に落書きするくらいで許してやろう

    俺ってば優しいなぁ

    そこまで思案し、前に向き直ると

    いつの間に接近したのか、スタースクリームが目の前に立っていた

    「ん〜?どうした?イタズラされる覚悟が……でき」

    右手にはお菓子の入った袋を持っている

    「なぁんだ、あったのか」

    「ああ、最後の一つだ」

    あーあ運の良い奴、イタズラをまんまと回避しやがった

    残念だけど、それはそれとしてスタースクリームからお菓子を貰えるのはうれしいなあ

    と思ったのも束の間

    「えっあ、ああああ!?」

    「……むぐ」

    なんとスタースクリームは袋の中のお菓子を全て口に入れてしまったのだ

    むぐむぐと1口でいったからか、咀嚼に手間取っているようだ。口の周りにもベッタリとお菓子がついている

    「むぐ……んぐ……うん、流石私。やはり美味い」

    ご馳走様、と舌でペロリと口の周りを舐めた彼は何処か満足そうだ

    「美味い、じゃない!なーにをするんだ!それは俺の……」

    「菓子がそこにあったから食べた、それだけだ」

    そんな山があるから……みたいに言わんでも!

    ああ……食べたかった……手作り……うぐぐ……

    スタースクリームの手作り……

    「さて、ホットロッド」

    項垂れる俺を他所に、ぱんっと仕切り直すかのように彼は手を叩く

    何処か芝居がかった仕草で話始めた

    「これで私は貴様に渡すお菓子は本当に無くなった訳だ」

    「…………」

    まさかこいつ、最初から

    「………………俺ちょっと用事思い出した……かも」

    「用事など無いだろう?」

    クスクスと笑われる、不味い

    「……そう身構えるな」

    彼は俺の首元に手を回し、人差し指でつう……と首筋を撫で上げた

    とてもじゃないが逃げられない

    傍で降りかかる彼の息が甘い、甘すぎる良い匂いを漂わせている

    ブレインが段々と馬鹿になっていくような感覚

    不味い、これは色々不味い

    「『キツいイタズラ』とやらを期待しているぞ」

    ニンマリと笑った彼は、本物の悪魔のようだった


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