「Trick or Treat!スタースクリー」
「菓子など無い」
開口一番ぴしゃり、とドアを閉められた
「ちょ待てよ」
ドアを無理矢理こじ開け、顔をねじ込む
当然スタースクリームと目が合う事になるのだが、その彼は何故か少し困ったような顔をしていた
そんな顔されて、止まる俺では無い
「トリックオアトリート!」
「貴様に、渡す、菓子など、無い」
丁寧に言い直しやがった
「嫌だねいいからお菓子を……いてててててて指挟んでる挟んでる!!!」
容赦なくドアを閉めてくるスタースクリーム
取り付く島もないったらありゃしない
俺は何とかドアの隙間に足をかけ、スルりと室内に侵入して見せた
「お前ほんっとふざけんなよ……」
挟んだ指を庇いながらスタースクリームを睨みつけた
1963