僕がための駆け引き 布面積のやたら少ない露出度高めのタンクトップは、正直に言って目のやり場に困った。あろうことか組み合わせて身に付けているのは、緩めのホットパンツ。大きめのラグにうつ伏せに寝転がり、だらしなく漫画を読みつつも、足を組み替えるたびに張りのある太ももが揺れる。
「………なぜ貴様がここにおる」
殺気を放つ面堂の一方、あたるは一貫して平然としていた。
「さあ、なんでだろうな?」
「真面目に答えろ」
「だあって、気付いたらいたんだもん」
女性の姿になったところで、所詮中身は諸星あたる。斬るつもりはなくとも、脅すつもりで刀を振りかざす。刃が床に突き刺さろうとも、あたるは気にも留めない。
ふうふうと呼吸を荒げたまま、よく避けたな、と凄みをきかせた。
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