悪魔と花と雪うさぎ1
いつも通りの変わらぬ日常で、2人会話を楽しみながら街中を歩く姿があった。あれ以来Curseに心を許してゆき共に行動していた花咲。以前は周りの人間に怯えていたが、最近はCurseとよく外へ出歩くようになった。片目の花はフードを被り、極力見えないようにしている。
「あ、そういやさ、最近あそこのドーナツ屋で新作出たんだってよ!」
「そうなんだ、じゃあ近い内に食べに行かないとね。」
「なんなら今から食べに行くのも…」
ドーナツにはしゃぐ無邪気なCurseに、花咲は可愛いなと心の中で思って微笑んでいた。このちょっとした会話が日常で何事も無くできる事が、花咲にとって小さな幸せとなっていた。
その後もCurseと話しながら歩いていると、何か甲高い鳴き声が一瞬聞こえた。ふっと振り向き、鳴き声が聞こえた時丁度すれ違った男に視線を向けじっと見つめた。急に立ち止まって後ろを見つめているようなので、Curseが流石に心配になって花咲に話しかける。
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