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    Aym(エイム)

    @Aym1659_aucr

    描きたいものを描いているだけのアカです。
    エログロありそれ以外もあり

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    Aym(エイム)

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    闇オークションで盛り上がってて、うちよそのプチ小説書きたくなってしまった…許して🙇‍♀️
    花咲くんがオークションに出されていた所をCurseに救助された話です。
    ※妄想要素多々あります。

    「次の商品はこちらです。造花人間『花咲』です。」
    周りから歓声と拍手が聞こえる。逃げ出したい気持ちが僅かにあったが、首元と足で鎖が繋げられていてとても逃げられるようではなかった。
    「更に付属の薬を使えば夜のお相手も可能です。」
    体がピクリと動く。しかし、観客達はそれを聞いてニヤリと笑みを浮かべるだけだった。
    「1000万からスタートです。」
    「…」
    始まった。観客達が次々と値段を叫んでいく。

    「1100万!」
    「1200万!」

    「1600万!!」
    「1800万!!」

    「2500万!!」
    「…さあ!これ以上はありますか?!」
    「…」
    静寂がしばらく続く。2500万となると信じられないほどの大金だ。司会が口を開こうとすると、それを遮るように声が聞こえた。

    「5000万」
    「…!」
    辺りがざわつく。驚きのあまりにふと声の先を見る。
    そこにいたのは人間じゃなかった。黒い角と羽、そして長い尾があった。その姿は…間違いなく、悪魔だった。
    「…なーんてね、嘘だよ。…0だ。」
    「貴様っ…何のつもりだ!ふざけているのか!!」
    「ふざけてって……ぷっ…はははははははっ!!!」
    悪魔は急に笑いだした。周りは困惑と苛立ちの空気になりつつあった。
    「ふざけてって、お前ら、コレマジでやってんのか!?はははっ…面白ぇぇ」
    「このオークションは、誰が商品を買えるかの競い合いなのだぞ!ふざけているわけなかろう!!」
    「ははは…はぁ〜………へぇ、そっか。」
    そう呟くと悪魔はこちらに向かって飛ぶ。大きく開いた羽は光を吸い込むほど真っ黒で、自身がいるところが影で覆われる。目の前に着地し、悪魔は頑丈に付けられた鎖を素手で砕いた。当たりが騒がしくなる。そんなことなど気にせず、悪魔は俺を抱き抱える。
    「…人間ってさ、たまに面白い奴がいるよね。自分と同じ人間を、売り買いするなんて。常人じゃ考えられないことだよ。」
    「『花咲』は特殊な花を見に宿した特別な存在だ!"それ"は誰だって大金を払ってでもほしいものだろう!!」
    「こいつを"それ"呼ばわりすんな!物じゃねぇんだ、こいつはお前らと同じ人間だ!」
    当たりが悪魔の叫び声と同時に静まる。
    「なぁ、聞かせてくれよ。もしお前らに子供がいて、そいつが攫われて、こうやってオークションに出されてたらどうする?…」
    会場は静かなままだ。
    「…まぁいいや、取り敢えずお前らみたいな奴らには渡せないからな、こいつは俺が貰ってくということで─」
    「ふざけるな!!!」
    一人の小太りな男がステージに上がってくる。
    「あと少しで買えるところだったのを邪魔しおって!!よこせ!!!」
    そう言って男は砕かれて残った鎖を掴み、引っ張ってくる。俺は引っ張られる勢いに体を持っていかれ、目をぐっと瞑る。
    その直後、俺を引く力がふっと無くなった。同時に男の悲鳴と大騒ぎする観客の声が聞こえる。恐る恐る目を開くと、そこには腕を切り落とされて顔を歪め叫ぶ男の姿があった。俺を抱き抱えている悪魔の尾には、血が滴っていた。
    「…ぇ?」
    まさか、この悪魔が尻尾で男の腕を切り落としたのか?
    「…ああ、変に無理矢理ってのも、お前からしたら痛いし苦しいだろ?こういうのは必然的にこうするしかないんだ。………面倒臭いし、全員やるか。」
    悪魔はしっかりと俺を抱える。
    「しばらく目を瞑ってもらえるか?…あ、悲鳴は気にしないでくれ。」
    「ぇ?…うん…」
    ぐっと目を瞑る。すると体が突然ふわりとなり、猛スピードで走る足音が聞こえる。しかし振り払われるような事はなかった。抱き抱えられている感覚は、体をしっかりと支えつつも優しく持っていた。悪魔が恐らく走り回っているであろうその合間に、観客達の断末魔が次々と聞こえてきた。やがて会場の崩れ、瓦礫の落ちるような鈍い音が聞こえる…

    気がついた頃には悲鳴は聞こえなくなっていた。悪魔はのんびりと歩いているようだった。
    「…あっ、もう目開けていいぞ。」
    ゆっくりと目を開けると目の隙間から眩しい光が差し込んでくる。思わず手で覆いながらも目を開くと、そこには街が広がっていた。
    「路地裏のかなり奥にあの会場があったみたいでな、出るのに時間がかかったよ全く…」
    悪魔はもう片方の手で頭を掻きながら、ため息がてらに呟いた。
    「…なんで…俺を…?」
    「え?」
    聞こえないぐらい小さく言った言葉を悪魔は聞き取り、こちらを不思議そうな目で見た。
    「…お前、あのままあそこにいたかったのか?」
    「!…そういう訳じゃ…っ」
    「んじゃあ、何なんだよ?」
    首を傾げながら悪魔は聞く。俺は少し震えながらも口に出した。
    「なんで、俺なんかを助けたんだって意味だよ…こんな、アンタと関係ないじゃないか…そんな、無関係な奴を助けるって…本当に…何なんだよ…」
    「うーん…」
    実際そうだ。この悪魔は間違いなく俺のことを知らない。会ったことも、話したことも、見たことも無い、そんな奴を助けるなんて現実じゃありえない。悪魔は、しばらく黙ったままだった。
    「ちょっと、こっちの事情でね。俺的に言いづらくってさ。ここらで闇オークションがやってるって情報を得たんだ。そこをぶっ潰すのと、商品に出される子達の救助が目的さ。そこで偶然お前を見つけたってだけだよ。」
    「救助…」
    確かにあの時、目をつぶっている間、悲鳴とは違う声が時折聞こえていた。
    「じゃあ、なんで…そんな事を悪魔のアンタが…?」
    「それもこっちの事情だ。言えることといったら…俺は悪魔としてはダメな奴だったってとこだよ。」
    「?」
    どういうことか分からず考え込んでいると、悪魔は俺の体の拘束具を全て素手で壊し、解放してくれた。
    「さて、と…そういや自己紹介してなかったな。俺の名前はCurse、気軽に呼び捨てで呼んでくれ!」
    そう言ってCurseはニッと笑う。彼は悪魔だが、何故か信頼出来る。そう思った。
    「…にしても、オークションで司会者が言ってた『夜のお相手』って何だろな。きっと酷い事に違いねぇ…」
    「…えっ?」
    「え?」
    Curseのふとした疑問に俺は思わず声が出てしまった。その後はもう笑うしかなかった。
    「え?は?ちょっ、何笑ってんだよ!」
    「ごめんごめん…Curseって意外とピュアなんだなっ…」
    「何に対してその、ピュア?って思ったんだよ!!おい!笑ってないで何か答えてくれ!」
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